つくつくにっし

花より男子の二次小説です。司×つくです。他のカップリングも送り出します。クスッ、ウフッと、とにかく心が元気に。をモットーに書いていきます。あくまでも勝手な妄想の世界ですのでご了承ください

初恋と嫉妬 15

睨み合う男たちが数名。


この街並みには不相応な黒服の集団。


大通りから少し住宅街に入った所にある。


その中に一人だけカジュアルな服装に身を包んでいる。ずば抜けて顔立ちが整っている上に、醸し出す雰囲気が周りを圧倒し、威圧している。

これを人はオーラと云うのだろう。


エントランスホールの前にその美しき訪問者が訪れると、このマンションの所有者の社員兼警護者は主を護るべく、その圧倒的なエネルギーの放射を受けても尚、その魔力的な力と対峙しようとしていた。


ほんの少し前までは彼等の主だったお人である。


「山崎。そこを退けろ…」


すでに目が完全に獲物を狩るハンターのようになっている。


恐らく本気で殺しにかかってくるような殺気を体から放出している。


山崎も最初は司がここまでとなるとは半信半疑だった。

以前の主が本気になっている。

気を抜けば、一瞬で仕留める気でおられる。


「司様、牧野様は体調が優れないのです。明日からは、当社の新たな倉庫物件の偵察に地方へ向かわないとなりません。ゆっくりとした休養が必要なのです。ご理解ください」


対峙している山崎も本気で迎え撃つつもりだと察知した斎藤は、

「司様、ここで本気で殺し合いをなさるおつもりではないですよね?牧野様がお知りになったら、悲しみますよ?」

「斎藤!こいつらとグルになってるのか?!」

完全に目が怒りでギラギラと燃えている。

司は目の前にいる山崎らから目を離さぬように、少し後ろに控えているSPの斎藤に、地を這うような低いで訊ねる。


「司様…。牧野様のマンションに向かう旨をこちらの山崎さんに伝えたまでです。何を仰っておられるのですか?」

フッと嘲笑すると、

「お前ら全員、俺がここから立ち去るようにとしか話をしてねーだろ?」


その言葉に斎藤が、

「邸を出るときもお話しました通り、牧野様は体調が優れないとのこと。それに司様は後1時間後にはまた離島への視察が入っております」

「ほぉー、斎藤?邸で頭突きを食らわせても尚、目が覚めねぇか?」


SPの斎藤は主の後ろ姿に向かって頭を下げ続けている。

すると今度は新人SPの真壁に聞いた。

「お前らは驚いているみてーだな?邸で斎藤が俺に意見したときから瞳孔の開きが何時もと違うぞ」


新人のSPたちは実際に何が何だかわからない状態が続いている。


この平和な日本の住宅街で彼女に会いに来ている青年。

それと、それを阻止しようとしている先輩SP。

その双方から物凄い殺気が辺りを包み始めている。

野次馬が皆、影から様子を伺い始めているのが分かる。


「司様、野次馬が集まって来ております…」


その言葉に、司は殺気を少しづつ押さえているようだった。


「お前ら。どっちにしてほしい?俺が大声で牧野を呼ぶか、また一暴れさせるか?」

自分で聞いときながら返事を待たずに、


スーと息を吸い込んで、マンションに向かって叫んだ。


「おい!!牧野!!いるんだろ!!顔を見せろ!!!」


暫くしてもつくしは顔を出さない。


もう一度叫ぶ。


と、後から、


「あらあら、道明寺さん?どうしたんですか?こんな寒空で?あらま?もしかして、愛の告白?イヤ~ン。こっちが照れますって」


そう言いながら、殺気を知ってか知らずか掻き分けて司の隣に立ち、腕を組んだ。


すると、マンションの5階の窓が開いて、つくしか慌てて顔を出しながら、


「道明寺ーー!!あたしはここだよーー!!

山崎さーーん!あたしは出れますからーー!!って、あれれ?!ママ?何で道明寺と腕を組んでんの?ちょっ、ちょっと…」


マンションの上階から目を丸くしたつくしが抗議の声を上げている。


「さっ、道明寺さん、中に入って」

母の千恵子はつくしと同様に上目遣いで道明寺を見た。


ぐはっ?!


一瞬仰け反る司。


その後で大笑いした。


「お母さん、ありがとうございます」


千恵子 は、

「一度、娘の彼氏と腕を組みたかったのよ。フフフっ」


そう言って、周りのSPたちの驚く姿を尻目にマンションの中に入って行った。






道明寺邸では、


「司、中に入れてもらったかな?」

類がボソッと呟く。


携帯電話の部品の製造の仲介役として関わっているあきらは、生産台数の拡大のために一度中国に急遽飛んでいる。今日の夜にはまた日本を離れてマレーシアに向かう予定だ。


「なぁ?今日の束の間の休日だけど、スゲー疲れがドッと出たのは俺だけか?」

あきらは頭を抱えている。

「イヤ…。にしてもここのお宅のゴタゴタは相変わらずスケールがでかくなっている気がするゼよ…」

総二郎が子供を抱いている親友の姉を見る。

「司もずっと地方の僻地をまわっているんでしょ?」

類が訊ねる。

「電波が入らない所がまだ沢山あるでしょ?

山とか離島とか。そうゆう所に一刻も早く基地局の創設を促すために出向いているのよ。

総務省だけに任せておくと時間が掛かるからって」

子供をあやしながら質問に答える椿。


「司は完全にさっきの会話で不信感が確信に変わったみたいだったね」

「携帯電話が通じなくて、イライラして壊しそうになるのを止めなかったってことか?」

うん。類は頷く。

「2度目に壊そうとしたところで万が一のことを考えてとストラップを外させて、持ってきたジュエリーケースに入れさせたんだよね。その後は案の定、司は携帯電話を壊してくれた」

「アイツがいつもすることだ」

あきらの返しにまた頷く類。

「でも、戻ってきたのに新しい携帯電話を渡してない。いくらここに数時間しか滞在しないとしてもだよ。あきらが会社に電話を入れて、仕事の話でという名目でここに繋げて貰ったんでしょ?」

「だな…。滋が俺にどうしても司と連絡を取ってくれって言われなきゃ、繋がらない所にいるんだな。で終わるもんな…」


「ねぇちゃん、まさかとは思うけど、叔母さんが牧野を排除しようとしている訳ではないよね?急に騒がれ始めているけど、別に悪く言っている訳ではないし、司が出ていくときに西田さんを"裏切り者が"って言っていたけど」

「る、類?!そんなに私を睨まないでよね…。私も何にも知らないのよ?だけどね…」

口を濁す椿。


「何だよ?ねえちゃんらしくねぇゼよ…」

総二郎が呟く。


「そうだよね…。私は出来れば司とつくしちゃんが結ばれて欲しいもんね。そうだよね…。うん、うん」

自問自答しながら、

「絶対に他言無用よ…。特に司には。お母様の態度がおかしいと思っていろいろと調べたのよ…。それが原因かどうかはわからないんだけどね…」



コソコソ



ゴニョゴニョ



コソコソ



ゴニョゴニョ




「「「マジか?!!」」」





美しき3人の男たちは顔を見合わせる。

初恋と嫉妬 14

経済効果100億円。

いや、200億円か?


最初に世間で言われ始めた時は、俄に信じられなかった。


その火付け役となっている女性。


その女性はと云うと、自身が先頭に立ってまとめ上げたという思いは微塵もなく、只々付属の携帯ストラップの生産現場の生産者に頭を下げて回り、臨時の雇用を増やすべく契約社員の増員の要請をこれまた低姿勢で行っていた。


何故ならば、凄い台数の予約になっているからだ。

生産台数が現在使用中の台数を越えてくる。

億の単位に達するのでは?

その様に算出してくる経済学者もいるほどだ。

現在の携帯電話の普及率は25%を少し切っている。

一気に50%を越えるのではと囁かれている。

当然、生産現場は猫の手も借りたい状態だ。


今日は、F4のCMが流れる最後の日となる。

テレビを付けていると、チャンネルを変えても何処かしらでCMを目にする。

現に今も流れていて、自分の恋人が画面の向こうからこっちを向いて微笑みかけている。


「凄いことになったよね?」

「……。予想もしない方向にどんどん大きくなっていくのかな?」

「つくし、何か怖い?」

「ねぇ、優紀?何か大変な事になっているような気がするんだけど?大丈夫かな…」


道明寺の姿を見たからか、少し視界が歪む。


それとも、昨日までの熱のせいなのか?


「自分でやろうと思ってやったんでしょ?後悔してんの?」

「…そんなつもりじゃなかったんだよ…。只ね…、何か周りのみんなのあたしに対する態度が、道明寺が後ろにいるから出来る仕事でしょ?って言われているみたいで、あたしって何なの?ってどんどん落ち込んでいった。って云うか…。だからね…。あたしの存在って、道明寺がいないと成り立ってないのか?とか、道明寺の所有物みたいに思われているんじゃないか?とか…」


「うん?つくし?CM効果で騒がれていることの話じゃないの?」

「えっ?いや、違う…とも言い切れないっか…」

「何?てっきり、CM見ながらだから、世間で"経済効果の影の立役者"とか、"笑顔の素敵な愛らしい人"とか、"現役女子大学生にして実業家"って云われている事かと思った。全てに"謎の "ってついてるけど。素性はバレてないみたいじゃない?えっ?本当はバレてるの?」

自問自答して驚いている優紀。


その言葉に、

「その事も、今は落ち込む原因…」

ソファーの上で体育座りをしている。

「何でよ?だって、あのF4を集結させることが出来るのはつくしだけでしょ?しかも、道明寺さんの笑顔を引き出せるのもつくしだけでしょ?」

「……」

「 実際、凄い人だと思われるよね?ダメなの?

わたしはいくらF4が知り合いだとしてもそんな事は出来ないよ。

実際にできませんって、言ってるからね…」

「ふぇ?なんの事?」

「いいの、いいの。今はつくしから片付けていかなきゃね。わたしのは後でちゃんと話すから」

そう言って、優紀はつくしに向き合った。

「さっ、話してもらいますよ」






「そうなんだ…。で、桜子ちゃんに話を聞いてもらってたら、しのぶさんが慌ててきて、始めて大騒ぎしているって分かったんだね?」

「うん、それまでは山崎さんたちはいなかったんだよ…。小宮さんだけがいてさ…。今思うと、西田さんに収集かけられてたのかな?」

「つくしのSPさんたちのこと?」

「SPって…。そうだよね…。あたし、最近はSPさんたちだって、忘れかけていた…。あの日はさ、あのまま小宮さんたちにベットに連れていかれて、眠ってしまったんだよね…」

「で、翌日に気付いたんだ?何か大変な事になっているような、って?」

つくしは頷く。

「うん、道明寺からメールで"話がしたい。誤解だ"って来てたけど、あたしもその時はまだ冷静でなかったからメールを返してなくて…。桜子としのぶちゃんに話したら誤解もあるのかな?って思えてきてさ…。

しのぶちゃんがね、後でメールでその手の誤解は早めに解いて自分の気持ちを伝えた方が良いって。

後戻り出来ない状態になるからって言ってきたからさ…」

「わたしも誤解だと思うな。

そもそも何で道明寺さんが、女の子の日だって分かると思うのよ?

自分自身でも忘れちゃうことがあるのに」

「今まで会ってた時は避けてたみたいなんだよね。

あたしの中ではドンピシャで言い当ててくるって云うイメージ。知っているのが当然となってたのかな?」

「ふ~ん、まぁ、道明寺さんならあり得なくもないか…。

でもさ、今までなら離れていたから気にしていた事でも、近くにいられるから気にしなくなったのかもよ?」

「それもあるのかな…?」

つくしは黙りこむ。

「で、その後に道明寺さんと連絡が取れないの?」

「うん、電波が届かない所にいるか、電源が入ってない。っていうアナウンスが流れる。繋がらないんだ…」

優紀が腕組みをして唸る。

「道明寺さんはそんな事で引き下がらないと思うけど?今日は電話してみたの?」

首を横に振るつくし。

「あっ、それで原因不明の発熱か…」

つくしは顔が紅くなる。

「いろいろと…、頭がごちゃごちゃで…その…道明寺だけが原因ではないけどさ…。近くにいる時は、そのさ、もう少し離れてって思ったり、でも、今みたいになるとヘコんでいる自分がいてさ…」


可愛いとこあんのね?

って言ってから、西田さんに連絡してみるとか?

会社に電話してみたら?

って言われたけど、怖くて出来ないよ。


ホントにあたしってば、なんて面倒くさいオンナなのだろう?

嫌になる。


「その面倒くささが道明寺さんにはツボなんじゃないの?」

「ゴメン、口に出してた?もしそうだとしたら、とんだ物好きだね…」


トゥルルルルル


トゥルルルルル


つくしが素早く携帯を手に取る。


メールを開く。

『道明寺さんに会ってきました。きつ~くお灸を据えて来ましたから、先輩はなんの心配も要りませんよ』

桜子からのメール。


続けて、優紀にも来てたみたい。

どうしたの?って、聞いてみた。


「つくし!F4が道明寺さんのお邸に集まっているってさ!滋さんからのメール!電話してみなよ!」


どうしよう…。


みんなが、知っているってこと?


事態が大きくなっているような…?


掛けてみたけど、出なかったり、メールも読まれなかったりしたら、ショックだから…。


それに、なんて言えば良いのよ?


「優紀は思わない?普通だと何とも無いようなことでも、事態が大きくなるって」



バタン、


バタン、



ガヤガヤ…



ガヤガヤ…



「何か、外が騒がしいよね?」

二人は顔を見合わせる。







「おい!!牧野!!いるんだろ!!顔を見せろ!!!」






ここは他のマンションや学校、病院等が建ち並ぶ住宅街の中にある。


人目を気にしないで大声で叫べる人物。


すぐにでも、ここにいることを知らせなぎゃ。




慌てて立ち上がり、エントランスが見渡せる廊下に走る。




廊下に行くと、小宮さんが立っていた。




ちょっと恐い顔をしている。




すぐに察知した。




道明寺に会わせない気だって…。

初恋と嫉妬 13

容姿端麗な女性2人が、これまた眉目秀麗な男性4人を仁王立ちで睨み付けている。


「ねぇ、三条?何で俺まで睨まれなきゃなの?」

その言葉に、桜子は類を優しい眼差しで見る。

「類さんは、全く悪くありません。

優紀さんの件でも助かりました。

けど、世の中は連帯責任というものがありますでしょ?

お仲間なのですから」

「えっ?俺も一括りにされてるの?」

「勿論ですわ」

にっこりと微笑む。


「う~ん、そうなの?…」

そう呟いた後で、

「三条も大河原も周りに流されちゃダメだよ。

感情は話をするとまた掘り返すからね。

牧野が間違った方向に行ったら引き止めてよ」

2人を、しっかりと見つめた。


滋はその言葉に目を伏せる。

が、暫くして、類くんごめんね。

言わないと気持ちが収まんないから。

そう言って、司をじっと見ながら、

「メールや電話でなくて、面と向かって司と話をしておきたかったの。

あたしたち、つくしの味方だからね。

つくしが司と幸せになりたい言っていたから、司を含めて応援していたの。

つくしを泣かせたら承知しないんだから!

其所んとこ忘れないでよ!」

滋が思いを吐き出す。


そんな滋に桜子が、もう行きましょうと声を掛ける。


「タマさん、お騒がせしてしまいまして、申し訳ありません」

桜子がタマに会釈すると、滋もそれに続く。


タマが頭を深々下げる。そして、

「また、お出でくださいよ。今度はつくしと一緒に来て下さいな」

そう言いながら、2人の手を取る。


「では、これで失礼いたします」

部屋の扉を少し出たところで滋が、


「あきらくん、さっきの言葉。

わたしは結構根に持つからね。

それと、ニッシーとあきらくんで浮気したこと。

優紀ちゃんも、わたしも許しているって思ったら大間違いだからね!」

最後にバタンと扉をしめる。


そこにいた一同皆が、呆気にとられる。

暫くして、

「ちょっ、ちょっと待て、滋…」

あきらが慌てて追い掛けて行った。


「何だ?お前らも揉めてる最中なんか?」

司がソファーに凭れ、片手で額に手を当ててる。


「総二郎のとこは俺が丸く収めたのに、また新たな火種を持ち込んだみたいだね」

類が横目で総二郎を見る。


総二郎の顔は青白くなっている。


暫くしてあきらが呆然として戻ってくる。


「あーっ、何で俺までとばっちり喰うんだよ…。大体、桜子が…あんなことを…」

ブツブツ言いながら、ドカッとソファーに腰かける。


「司、聞きたいか?俺もこのモヤモヤを吐き出して…」

総二郎が我慢しきれないとばかりに訊ね、勢いで話始める。


「誘っても、断ってくるから、素直に引いたんだけどよ。そしたら、優紀が泣きそうな顔で、わたしには強引にでも誘わないんですね?って、どうしたら正解だったんだ?」


「いや、総二郎。今は其処らで止めておけ。いろいろとごちゃごちゃするから…。言いたいのは分かる。けど、止めておけ…。必ず、吐き出せる時が来るからよ…」

あきらが総二郎の肩を叩く。



クスクス


クスクス


クスクス


この場に似合わぬ笑い声。


「あー、可笑しい。何なの?クスクス…揃いも揃って、魂が抜けたような顔してさ…クックッ…」


ますます笑いが止まらなくなっている。


「この状況でよく笑えんな?俺は全く笑えね」

とあきら。

「同じく」

と総二郎。

「いつまでも笑ってんじゃねー!類。お前だって。三条やその、牧野に今みたいな態度を、取り続けたらどうすんだよ?!」

「う~ん…。そうなる可能性もあるの?それは嫌だな…」


類は今日始めて顔が曇った。


「なんだい、なんだい。天下のF4が休みの日に男だけで集まってグダグダしているなんて世間が知ったら、みんなひっくり返るだろうよ。しかも揃いも揃って女のことでなんてね~。所詮は23.4歳の若造ってことかい?」


タマはソファーの背もたれに寄りかかり、精気がない男たちに向かって、


「女の子の心を知りたいだろ?このタマに何でも聞いとくれ」


司、総二郎、あきらは体を起こして目を合わせる。

そして、またソファーに身を沈める。


「なんだい!なんだい!答えてやろうと思っているのに。聞かなくてもいいのかい?!」

「いや、タマ?女の子って?お前はそもそも婆さんだしな…」

「坊っちゃん!何を言ってんだい?!」

顔を真っ赤にさせて怒るタマに、

「タマさん、怒んないで教えてよ」

類はニッコリ微笑む。


それに機嫌を少し治したタマが、

「コホン、西門の坊っちゃんは、真面目な交際をしてこなかったから、女の子の気持ちが実際は分かってないんですよ。遊び女はお手のものなんでしょうがね」

総二郎はその言葉に驚く。


「美作の坊っちゃんも壊れて当然の付き合いばかりしていたからねぇ…。今回も壊れるのを想定しているのかい?」

絶句するあきら。


「ウチの坊っちゃんは……」

じっと司を見て。

「論外だね」

ずっこける司。

「お、おい!!おい!!俺は一途に思いを貫くナイスガイだろーが?!」

司の言葉を完全に無視して、


「花沢の坊っちゃんが一番女心を掴んでいるとなるのかね?」

そう呟いて、横になっている類を見る。


「……タマさんありがとう。俺は女心を理解してる分けじゃないよ…。人間の心理を考えたら何となくね…。わかるでしょ?」

目を瞑って答える。


「今、ものスゲー、イラッとすんのは俺だけか?」


総二郎とあきらが同時に首を横に振る。


「いいかい?女はカラダだけの付き合いを嫌うんだよ。自分が好きなら好きなだけ。

気持ちがどれだけ自分にあるかを計りたくなるんだ。自分の物差しでね」

「それなら、おかしいだろーが。俺は牧野だけだって伝えているのによ。そもそも、他の女は論外だしよ…」

「坊っちゃん、そもそも、女は毎日しなくてもいい生き物なんだよ。たまにでもいいのさ。例え1ヶ月に一回の甘い時間でも満足できるんだよ。それを事あるごとにベットに連れ込まれると、いくら好きな男でも相手に不信感を抱くのさ。性欲を解消するだけなのか?ってね」


頭をかきむしる司。


「誘うなって事なんか?」

「女は面倒なのかね?誘わなければ、それはそれでヘソを曲げるからね~」


「俺がいい例だな…」

総二郎が独り言のように呟く。


類が徐にテレビを付ける。


F4が次々に振り向き、画面に向かって視線を送る。4人が揃い、皆が一応にい抜くような視線で佇む。

その後に画面かを切り替わり、

『予約者全員に着せ替えストラップをプレゼント!!』

そう画面の中で叫び、笑いあっている姿が映し出される。


類が指を指して、

「ライオンさんのこんな笑顔なかなか見れないよね?凄くいい笑顔だよね?」


そう言ってクスクス笑っている。

「消せ!!人の笑っている姿を、今の俺に見せんな…。イライラしてくる…」


類からリモコンを取り上げ、テレビを消す司を見て、総二郎とあきらは顔を見合わせる。


『自分だって気付いてないのか?』


カツ…


『人前で笑うこと自体が通常ではあり得ないからな…』


カツカツ…


『恐ろしいヤツだな…』


カツカツ……


『正真正銘のアホなんかな?』


「おい!!総二郎、あきら!!ブツブツうるせー!!」


バーン!!

扉が急に開く。


「つ~か~さ~!!あんた!!つくしちゃんに何をやらかしたのよーーー!!!」



「「「「ねぇちゃん??」」」」









はぁ~、大きなため息をつく。

「あんたね…。世間では、真しやかに妙な噂がたっているわよ…。滋ちゃんたちが言いに来るのも分からなくもない…」


「現に、ねぇちゃんがロスから飛んで来てるしな…」

あきらが、眉根を寄せる。


「さつき叔母様からこの事を聞いたのよ。あの人は大手の出版社の大株主なのよ…。事態が拗れなきゃいいけど…」



ババァ2号か…。













「優紀は思わない?普通なら何ともないことでもさ、事態が大きくなるんだよね…」


寒くなってきたのか体がブルッとした。