つくつくにっし

花より男子の二次小説です。司×つくです。他のカップリングも送り出します。クスッ、ウフッと、とにかく心が元気に。をモットーに書いていきます。あくまでも勝手な妄想の世界ですのでご了承ください

告白と恋情 5

「くしゅん」

「急に寒くなったね」

「本当にそうですわね」

「お腹。冷えない?」

そっと女のお腹に手を添える。

「……」

「えぇ、シュールを掛けているから大丈夫ですわ」

ドイツ製の高級車の後部座席に腰掛け、微笑み合う美男美女。


「……」

「こんなに遅くなるまで出掛けたのは何時だった?」

「本当に久しぶりでしたわ。悪阻が有った時は外に出たくもなかったですもの」

「今度、牧野も一緒にご飯食べに行こっか」

「えぇ、楽しみですわ」

「牧野、イキイキしたね」

「本当に、前半と後半では別人でしたわ」

「……」



「あのさ、一つ言っていい?」

「何ですか?和也さん」


「さっきからいろいろとツッコミ所満載なんだけどな!花沢類!何でお前までこの車に乗ってんだよー!」

「良いじゃありませんか?」

「だって、総二郎とあきらはまた飲みに行くって言うんだもん」

少し口を尖らせ可愛く言い放つ類。

「帰る方向が一緒ですわ」

「まぁ、百歩譲って良いとしよう。イヤだけど。ブツブツ……で、何でわざわざ後ろに乗る?さっこちゃんも助手席に乗れば良かっただろう?」

「類さんお一人だと寂しいかと」


何が、寂しいだ。

花沢類は絶対にそんな事は思ってないよ。

幸せにしている二人のなかを掻き回すなよな。


勿論、つくしちゃんたちもだぞ。


あー、道明寺も機嫌よかったなー。

まさか、いるとはなー。

ねぇ、ビックリしたよねー。


二人ともニコニコしてたなー。


さっこちゃんも楽しそうだったし。

悪阻も落ち着いたし。

みんなと会えて気晴らしになったみたいだし。

僕もだけどさ。


「和也、うるさい。運転に集中してくれる?」

類は目を瞑り、桜子に寄り掛かる。

「うおぉぉぉー、は・な・ざ・わ・る・い~!僕がこの場所から動けないことをいいことにー!!はーなーれーろー!!」

バックミラー越しに後ろ二人の姿を見ながら雄叫びをあげる和也。


くっくっくっくっくっ。

類は口を手で押さえて笑いを堪えた。



「和也さん、密室でそんな馬鹿デカい声をあげないで。類さん、和也さんの運転に支障が出るといけないので、頭をこちらに…」

そう言いながら類に笑いかけた。


バイブの振動が鞄を通してお腹に伝わる。あっ、と言いながら鞄の中から携帯電話を取り出す。画面に書いている文字を読むとそっと類に見せる。

「ふーん、これ俺も手伝わなきゃ?」

「勿論ですわ。先輩が知ったら、自分の事よりこっちに気が向くでしょ?あたしにとってもこの方は親友ですわ」

「そっ」

類は素っ気ない返事をする。


桜子は小声で類の耳元に告げる。

「和也さんにも内緒の話です。先輩の耳に入らないようにです」

美しい造形の笑みを浮かべる。





いつの間にか見覚えのある平垣の通りを走っていた。

静かに門の前に車を付ける。

使用人とSP数名が出迎えている。


「じゃあね、三条。今度牧野とランチに」

「約束ですわよ」

「うん」

桜子は車を降りて類に別れを告げる。


「……。あのさー、ここで大声出せないから、とっとと行ってくんないかなー」

和也は頭をワシワシと掻きむしる。


くっくっくっくっくっ。

ホント、今日は一日退屈しないですんだよ。

寝ないで起きていて正解!



知ってた?

俺が心を許した女性はみんな結婚していくんだ。


二度あることは三度ある。


順番が少し逆になったけどね。


だから牧野、きっと大丈夫だよ。

僕のかわいい片割れさん。


空を見上げる。

牧野のマンションを出た時は月明かりもなく暗い夜だったのに、今は星が見えている。


今晩は新月だよ。

新たな始まりだね。

イメージしたものが現実化しやすい。

新月はそんなパワーを秘めているんだ。


司、知ってて言葉にしているのかな?


知らないか。


うん、野生だもんな。



「俺は幸せを運ぶ天使みたい」

類は一人呟き、門を括って邸に入った。





「和也さん、お疲れだったでしょ?」

「大丈夫。と言いたいとこだけど、かなり神経使ったからね。道明寺のお蔭で仕事がずれ込むし。でも、つくしちゃんの幸せを願えばこそだよ」

「なんか、少し妬けますわね」

「妬く~?!」

類が降りた後、助手席に座り直した桜子は和也にそう告げるとガラス越しに見える月を目で追った。

和也はチラッと桜子の横顔を見た後、正面に向き直り、

「何に妬けるわけ?」

「何か、先輩たち初々し過ぎて妬けますわね」


「そう?僕たちときっと同じ事、してるかもよ?」

そう言うと路肩に車を停め、和也は左手で桜子の額をヘッドレストに軽く押し当て固定し、右手で彼女の首筋に手を当てる。


「本当に妬けるよ。いろいろと全く」


そう呟くと彼女の首筋に手を置きながら激しくキスをする。


「むふっ、うぁっ、うっふ~」


彼女の唇を全部覆い尽くす。

隙間もないほどに。


五秒ほどして解放させる。


はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……。


「わ、私が妊婦だと忘れた訳ではないですよね…?」


忘れる訳ないでしょ。

だから5秒で離したんだよ。


和也はベビーフェイスの顔を一段と綻ばせて、

「こうすると、燃えるでしょ?桜子は」


和也は桜子の額を再度後ろに押し付け今度は優しくキスをすると、パッと手を離し何事も無かったように視線を前方に戻し、ハンドルを手にした。




花沢類、君は本当に天使の顔をした悪魔だね。

僕を悪魔に変えちゃうんだからね。


道明寺もきっと同じだね。

花沢類に煽られてたもんね。



逆に感謝しなくちゃなのかな?



今日から新しい日々の開始だね。











「もう、安定期だから大丈夫って、本に書いてあったんだよ。楽しみだね」

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