つくつくにっし

花より男子の二次小説です。司×つくです。他のカップリングも送り出します。クスッ、ウフッと、とにかく心が元気に。をモットーに書いていきます。あくまでも勝手な妄想の世界ですのでご了承ください

彼女と仕事 6

ここはウィルソン氏が所有するビル街の一角にあるレストランやハイブランドの店が立ち並ぶ謂わば一等地の中にある和食レストラン。

当然予約制であり、会員制でもある。新規の客は会員の推薦が必要であり、また店独自の審査もある。

司と西田はこれから商談に向けてこの店に赴くことになる。

勿論事前に店側より連絡があり、即座にOKが出た。

それだけでも司はイライラが収まらない。

「あの、くそジジィわざわざ審査に掛けるような真似しやがって。足元見られてると思うとムカッ腹立つわ!」

「ルールですので。皆が受けることです」

「わざわざ日本食って。アメリカで食うより日本で食った方が旨いだろ?」

「店の板長は日本人と聞きました」


料理が旨いと其なりに話も上手くいくというものだ。

会ったこともない店のオーナーと板長にエールを送りたい。


店内はこれまた趣があり落ち着いていた。

廊下は広く廊下の一角に内庭があり、そこには日本の美が縮小されていた。

全室個室その中に何部屋か畳の部屋がある。

かなりの完成された作りに司も緊張が解けていくのが判る。


畳の匂いだ。

何だか懐かしいな。


自分でそう思ったのにひどく可笑しくて声を出して笑ってしまった。

自身では畳の生活などしたことはないというのに。


邸では和室はタマの部屋以外はないのにな…。

牧野…。

やっぱりアイツは畳が似合うか。


俺が懐かしく感じるのも、帰りたいと思うのも全ては牧野に繋がる。


また、笑ってしまった。


あのマンションには和室はなかったな。

作らせようか。

イヤ、待てよ。

この仕事が終わったら婚約、結婚だ。


どうすっかな。

数ヵ月でもあればアイツは喜ぶか。

匂いが落ち着くって言ってたしな。


日本食レストランを謳っていても外装は中国か東南アジアが折り混じったなんとも云えない日本を演出することが多い。当然料理も然別。

だがこの店は違うことをすでに物語っていた。


司と西田が通された部屋は畳の部屋だった。

テーブルの下は掘りごたつ式になっているため正座が出来ない人たちにはありがたい。



部屋に着くとウィルソン氏は席に着いていて、ニコニコと白い歯を見せた。

ウィルソン氏の横には黒髪のストレートヘアの小柄な女がちょこんと座っていた。


「MR.ウィルソン遅くなって申し訳ありません」

司が畳に正座をして頭を下げた。


「こちらこそ、早く来すぎてしまってね。何故だか解るかい?」

「日本に関係あることですか?」

「そうなんだよ!ある人に出会ってからかなりの日本贔屓になってしまってね。ここの生け花や花を飾る花瓶?は見事だから、オーナーに誰の作品か等々聞いていたんだよ」

「なるほど。それは良いご趣味を見つけられました。ひとつ、ウィルソン氏にお教えしておきます。日本では花器と呼んでおります。

漢字では花の器と言う意味です」

「そうそう、花器だよ。日本語は飾る方法で呼び名が異なるのだから不思議と言わざるを得ない」

「そうゆうややこしさが日本なのですよ」

「司くんはややこしいかね?」

「僕がややこしく見えますか?」

司がゆっくりと微笑む。


「おお、そうだ、そうだ。紹介がまだだった。エレナ・グラハム・トーマスと言って妻の10歳年上の兄の孫でな。起業しておるのはこの子の父親なのだが、この子がどうしても君が来るのなら一度にお会いしたいと言ってきてな。年はえーっと…」

「大叔父様、後は私が話しますわ」

エレナはハニカミながら右手を差し出した。


司はその右手には答えずウィルソン氏に鋭い視線を投げ掛けた。


「MR.ウィルソン、先程も申したように僕はややこしいのは嫌いでしてね。ビジネスの話をさせてもらえると思ってここに参りました。別の思惑がビジネスに絡んでいるのならこの話はこれで終わりとします」

「Miss・つくしのことかね?」

「よく、ご存知のはずかと思っておりましたが」

司の目は"つくし"の三文字が出た瞬間、更に険しいモノに変わった。

「君のお母上はMiss・つくしのことを"息子が仲良くさせてもらっているガールフレンドの一人なのですよ。お恥ずかしい"そう言っていたのだが、違うのかね?」


司は益々自身の顔が凶悪に歪んでいるのがわかった。

堪らず、西田が小声で

「司様、ひとつ冷静に…」

その言葉にギロッと西田を睨み付ける。


あのクソババァ、やりやがったなー!!

何が、ガールフレンドの一人だ!!

アメリカ人にあんな回りくどい言い方が通用すると思ってんのかー!!

わかっててやりやがったなー!!


なまじ、日本人なら今の言い回しで判るだろうよ…

クソッタレがー!!!


司は息をゆっくり吐き、自身の心を落ち着かせてから

「つくしは、牧野つくしはただのガールフレンドではありません。僕の妻となる女性です。先程も言いましたが、ビジネスの話以外ならお話しできません。申し訳ありませんがこれで失礼させていただきます」

「ビジネスでも良い話だと思うのだが、それでもダメかね?」

「お断りします。仕事を取って彼女を失うくらいなら彼女を取って仕事を棄てます。僕には端からその選択以外は存在してません。

では失礼します」

司は礼儀として畳に正座をして挨拶を交わし、立ち上がろうとした。


「「あははははははは」」

「ほら、そうでしょ?」

「ホントだな~。エレナが言っていた通りだ!」

「でしょ!!」


目の前のアメリカ人二人がお腹を抱えて笑っている。

司と西田は呆気にとられてお互いの顔を見合わせた。

みるみるうちに司の顔がまた凶悪な顔つきになっていくのが判る。

西田が司の座っている横を見ると有田焼の美しい花器が花と共にそこにあった。










司様、その陶器はお投げになりませぬように。

×

非ログインユーザーとして返信する

あと 2000文字

※は必須項目です。