つくつくにっし

花より男子の二次小説です。司×つくです。他のカップリングも送り出します。クスッ、ウフッと、とにかく心が元気に。をモットーに書いていきます。あくまでも勝手な妄想の世界ですのでご了承ください

願い事 3

牧野…牧野…


つくし…つくし…


ねぇちゃん…ねぇちゃん…


一斉にいろんな呼び声で呼ばれる。

体を揺り動かされる。


あれっ、ここどこだっけ?


「おい、牧野つくし!起きろ!」

司の低い声が車内に響き渡る。


新潟に入り、1時間とちょっと。


上越新幹線とほぼ平行に走行する関越自動車道の車道。

左側を見ると、燕三条駅が見えてくる。駅の周辺に沿うように商業施設が立ち並んでいて、ビジネスホテルも何件が立ち並んでいる。

目線をもう少し奥に向けると広大な越後平野の平らな大地に弥彦山が鎮座しているのが遠くに見える。


司の言葉と、母の千恵子の揺さぶりでゆっくり目を開けるつくし。


「ほら、つくし。もうすぐで三条燕インターに降りるわよ」


その言葉にガバッと体を起こす。

辺りをキョロキョロする。


「わぁー、もう少しで着くね?!いつの間にこんなとこまで。この景色を見ると何か、懐かしい気持ちになるよ。うーん」

体を伸ばすつくし。


「よく寝れたようだな?牧野つくし?」

「何よ?乗り心地がいいんだから、仕方無いでしょう?それに、何でフルネームなのよ?」

「そ、それは、仕方ねぇーだろ!牧野って言ったら、そ、その親父さんとか返事すんじゃねーか」

「そ、そうだけどさ、道明寺司」

「何だよ」

「何よ」

「グースカ寝てんじゃねーよ!」

「怒ってんの?」

「怒ってねーよ」

「怒ってんじゃん」


運転席と3列目で口論を始める2人。

それを聞いて、ニヤける牧野家のつくし以外の3名。


「ねぇちゃん、ラーメン食べたら助手席に乗ってよね」


「うげっ、本気で食うのか?」

司は誰にも聞こえないような声で呟いた。ハズだ。


晴男は苦笑しながら、

「新潟はラーメン王国でね。なかなかの味なんだよ。道明寺さんはラーメンはあんまり食べないか?」

「そ、そうですね。過去に一度だけです」

「「「えぇーっっ??」」」


あまりの衝撃的な告白に3人とも固まっている。


「凄いね…」

「日本人、だよね…?」

「この車に一緒に乗ってていいのかな…?」

進は振り返り、両親とコソコソ話している。


「あっ、いや、今日は食べます」

「ふ~ん、無理しなくていいけど」

「無理なんかしてねーからな。牧野つくし」

「食べるなら美味しそうに食べてよね。店の中で、何だかんだ言わないでよ」

「何も言ってねーだろが、牧野つくし」


「つくしもいい加減にしなさい。道明寺さんが一緒に食べてくれるって言ってくれる。その気持ちにありがとうって.。そうなると可愛いんだけどね~」

「大丈夫だよ。ママ。つくしの顔を見てるとホントは嬉しいって顔だな」

2人とも振り返り、つくしを見る。


ホントだね。

ウンウン。

誰に似て素直じゃないのかしら?

コソコソと話しているけど、丸聞こえですからー!!


バックミラー越しに道明寺と目が合う。

何で、顔が赤くなってんのよ!


進があんたの顔を見て、ニヤついているじゃない!!


もうっ。





「 俺の爪切り、ここで造ってんのか…」

司がボソッと呟いた。


「道明寺さんの爪切りって、県央産なんですか?そりゃ凄い。何か、故郷が誉められたようで嬉しいね」


あっ、三条市と燕市で県央ね。

ここら辺に建ててある建物もあえて三条、燕って分けない。

面白いんだよって、パパは饒舌に話している。

だから、駅は燕三条駅。高速のインターチェンジは三条燕。

上手く取り持っているよう。



「爪切りって、指ごとに種類が違うだろ?牧野つくしは指が小せぇから俺の小指用だな?」


「「「「…………」」」」


司以外の人が目を合わせて、つくしに聞くよう目配せする。


「爪切りって、何か、種類があるの?」

「はぁ?手専用が3種類。足専用が3種類あるだろ?お前は?」

「いや、恐らく99%の人々は1種類の爪切りで爪を切るんですよ」

何故か敬語になるつくし。


その言葉に、驚愕の表情の司。

いや、こっちですから。

驚いているのは!!!







車は弥彦山の方角。東を目指す。

目的のラーメン店はインターチェンジを下りて、車で5分ほど。

商業施設を抜け、住宅街の一角にある。


つくしも新潟に来る度に訪れている。


「これから行くところは、僕が高校の時から通っているんだよ」


三条はカレーラーメン。燕は魚介背油ラーメン。長岡は生姜醤油ラーメン。新潟中央区のあっさり醤油。新潟西蒲区のこってり味噌。

新潟のラーメンはその地域によって特徴があるのだ。







「相変わらず、混んでるね~。お店、新しくなったんだ?」

店の暖簾の前にはまだ、席に座っていない客が立って待っている。

都会のラーメン店と違い、敷地面積も広く、1階のカウンターが10席ほど。座敷のテーブルが6テーブル。更に2階にもスペースがあり、10テーブルが用意されている。


「あれっ?SPさん達は?」

「あっ?いるじゃねーか?」

「2人だけじゃん。斎藤さんは?」

「はぁー?斎藤、斎藤って、アイツと食べたいのか?!」

「そうよ!」

「なっ?!お前…」

顔面蒼白の司。

「はぁー?何勘違いしてんの?斎藤さん以外の人も、サービスエリアであたしが渡したものしか食べてないんじゃない?いつ食べんのよ?」

「そ、それは…。俺に聞くな!」

「お2人は食べますよね?」

SP2人は顔を合わせ、

「牧野様、我々は警護ですので。勤務中ですし…」

「えっ?そんな事って…。道明寺も食べようって言ってよ…」

「コイツらは警護だろう?仕事でって、おいっ、牧野?!」


司が云うか早いか、道路向かいの駐車場で待機している斎藤らにつくしが駆け寄る。


「今すぐ、車から降りて。一緒にラーメン食べましょ!」

つくしが駆け寄って来たために、慌てて車から降りる。

「ですが、主人と一緒に食事等を取るなど、滅相もありません」

頭を下げるSP2人。

「何、言ってんの!!お腹が空いていて、ちゃんとした警護が出来ますか?それに、一緒に食べてくれなかったら、道明寺と帰るまでずーっと喧嘩しますよ!!いいの?!!」

「ま、牧野様…」

「みんなで、食べるから美味しいんだよ!あたしはみんなと楽しく旅をしてるって思ってる!」

追いかけてきた司を睨む。

「何よ!ここに来てあたしの楽しみが一気にマイナスだよ!道明寺!」



司は頭を掻きむしる。

「あぁー、今回の旅の最中だけだぞ!お前ら、牧野にあんまり近寄んなよ!分かったか?!」








「カウンターとテーブルで別かれますが、いいですか?」

お店のお姉さんの言葉。





「あたしはもやしラーメン。あんたは、中華にしとくね。ママー、決まったよ」



白い直径30cmの大きなどんぶりに運ばれてくる魚介背油ラーメン。


洋食器や金物の工場に働く労働者に出前するために作られたラーメン。労働者のために濃い目で背油で表面を冷めにくくしている。

麺は伸びにくくするために極太。

初めて見た人々は"うどん"だと云う。


このお店はその背油系のお店の中でも割とまろやかで、スープも飲みやすい。


母の千恵子はつくしの言葉を聞いてから店員のお姉さんに注文する。


「もやし中華2つと、特性中華1つと、中華大盛5つと、中華1つ。あっ、あとギョウザ2つ。あっちとこっちに。ねぎと岩のりを別皿で2つ。あっちとこっちに」



「カウンターだと、調理してるとこ見れるだな」

「新鮮でしょ?」

司を見て微笑む。

「あたしも新鮮」

「そうなんか?」

「あんたとこうして普通のデート出来ること。あっ、デートじゃないか?まっ、いいよね。あっ、ほら、見てみて。あれ、特性中華のあんかけだね。筍たくさん入ってるもん。

もやし炒め始めたよ。美味しそう」

「何だかスゲー量だな?」

「1人1袋分は入っているよね?」

「1袋?」

「あっ、わかんないね。いいよ。あっ!ギョウザ焼けたよ。凄ーいあの鉄板」

はしゃぐつくしを頬杖をついて目を細めて見る。




カウンターに座る2人の後ろ姿を見る。

見つめ合ったり、笑ったりしている。

「こうして見ると普通のカップルよね」

「つくしが寝ている時に言ってたもんな。


『付き合って長いけど、普通に車で遠出して、アイツが喜ぶような普通のデートってしたことなかったから、いい機会かなと思っているんです』


って。つくしが知ったら、泣いて喜ぶのにね」

その言葉にテーブルの向かえに座っているSPの面々が目頭を押さえる。


牧野家の両親が顔を合わせて微笑む。

「みんな、ウブで可愛いわ~」






「ちょっと、こんなとこで手を握らないでよ…。バカっ、そんなとこ触るな」

カウンターでは、司がつくしの内股を撫でたり、手を撫でたりするのを必死でかわしていた。











ラーメン一緒に食べる?

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