つくつくにっし

花より男子の二次小説です。司×つくです。他のカップリングも送り出します。クスッ、ウフッと、とにかく心が元気に。をモットーに書いていきます。あくまでも勝手な妄想の世界ですのでご了承ください

願い事 4

「あっ、そこを右に。そうです。ちょっと細いですけど。スミマセン。ほぉー。運転している姿を隣で見ているとホントに格好いいですね」

頬を紅らめる晴男。

「あ、ありがとうございます」


「いっつもおばあちゃんの家から歩いてくるから車で入る道なんて、パパしか知らないもんね。道明寺はびっくりするでしょ?お墓が家の敷地内にあるなんてさ」

後部座席からつくしが声を掛ける。


「あぁ、墓を先に参ってからと言われたから、てっきり寺だと思ったわ」

「無理言って済まないね。警護車より先に走らせて」

隣の助手席に座っている晴男は頭を下げた。


家につく前にお墓を参ってからと云う事になり、ラーメン店の後は晴男が助手席に座っているのだ。


「家の敷地って云うか、一族の共同の墓地でね。田舎はまだこういう形のお墓があるんだ。あっ、ここで。これ以上進むと大変だよ。ここから先は行き止まりだからね」


少し小高い丘の中腹にある墓地。

墓地の後ろには木々が覆っている。

今はまだ、緑色の葉が枝に付いている。

今年は気候の関係なのか、季節外れの花が枝の所々に咲いていた。

春にはこの辺り一面が桜色に染まるのだ。






「道明寺は車で待っててもよかったのに」

「来ちゃダメなんか?」

「いや、良いけどさ…」

「お前の先祖に報告してた」

「へぇっ?な、何て?」


道明寺が真剣な顔でこっちを見る。

少し口角が上がりこっちを見て微笑む。

真剣な目に気持ちが高まる。


何て言ったの?

気になるか?

そんな事ないけど。

俺にとって一番大事なことを報告した。


秋風が心地よく二人の間を駆け抜けていく。




つくしが司のコーチジャケットの裾を軽く引っ張り、司を見上げる。




「あ、あの~、お取り込み中にスミマセン。

僕たち歩いておばあちゃんの家に行くんで、お二人はゆっくりとどうぞ」

進が笑って手を振っている。


両親はわざとらしく目を隠しているし!!


SPさんの2人も裏手を確認させて頂きたいと言って、パパたちに付いて行った。


そう言われて改めてこの場所を確認する。

そ、そう、そうですよ。

ここはご先祖様のお墓の前だよ。

何をトキメキ感じているの。

あたしったら…。


道明寺を改めて見ると。

顔が赤いんだよ~。

もうっ。


「牧野、お前…。顔が真っ赤だぞ。赤面が移る」










車に乗り込む時に、道明寺はあたしにドアを開けさせない。

本当にスマートで、流れるようにエスコートする。

いつものように道明寺が助手席のドアを引く。

「あ、ありがとうね」

咄嗟に言葉が出た。

何だか、全部が嬉しくて。


チュッ。

軽く唇に触れるだけのキス。

驚いて道明寺の顔を見る。


「残りのSPも先に行かせたし、墓もここからだと見えねぇ。少しだけなら良いだろ」


そう言ってまた、キスを交わした。











大きな松の木がある、石門の前に来た。

ここら辺は昔ながらの集落。

何軒かの家々が道路沿いに立ち並んでいる。


「あっ、もう少し先で停めて。後で、おばあちゃんに何処に停めていいか聞いてくるから」

「この空き地、停めていいのか?」

「あー、叔父さんたちも集まると此処に停めているからね。田舎は邪魔になんなきゃ良いんだって、おばあちゃん言ってるよ」


そう言っていると、先に着いていたSPの警護車が空き地に入って来た。



「なぁ、牧野。さっきも不思議に思ったんだけどよ…。おい、本当にここでいいのか?隣も牧野だぞ。隣の家と間違えてねぇか?」

道明寺は辺りをキョロキョロする。


立派な石門を抜けると、大きな松の木がありちょっとした庭園になっていて玄関まで少し距離があるのだ。

庭も綺麗に手入れされていて、ツツジの木がきれいな曲線で刈り込まれている。


「あ~、ここはあたしたちの家でなくて、おばあちゃんの家だからね」

「後で、不法侵入とか言わねぇだろうな?」


つくしはケラケラ笑って玄関の戸を開ける。

旅館のような玄関口。

道路より一段高くなっており、玄関に上がる時に段となっている。

広さもあり、玄関だけで畳3畳分はあると思われる。

「着いたよ~。ほら、道明寺。凄い警戒している顔しているんだけど」

ケラケラ笑いだす。


つくし、お帰り~。

と、先ほどまで一緒に行動してい晴男と千恵子の声。

「ただいま~。お邪魔しま~す」

つくしは靴を脱いで揃える。

おばあちゃん、家にいないのよ。と、家の中から声がする。

ふっと、顔をあげると自転車で通りすぎるおばあちゃんの姿が見えた。

「おばあちゃん、畑に行ってたんじゃない?今、自転車に乗って目の前を通りすぎたよ。あの姿、おばあちゃんだと思うけど。自転車停めて来るんじゃないの?」

そう言いながら、廊下を歩き始める。

廊下も広く幅が2メートルはある。

「道明寺も上がってよ。って、家じゃないけどさ」

その言葉に、益々訝しい顔をする司。


つくしの後に続くとそこは仏間となっていて、金で加工してある大きな仏壇があった。


仏間の戸の緣には先祖代々の遺影が掛けられている。


中に割と新しい遺影がある。


司が見ていると、

「それ、おじいちゃん。あたしが小学5年の時に亡くなったんだ」

顔は丸と言うより四角で、口を真一文字に結んでいる写真。


仄かに蝋燭の消した匂いがする。

線香からゆらゆらと煙が上がっっている。

つくしは蝋燭にマッチで火を灯し、線香に火を移す。

つくしが静かにお参りする姿を見て、司が、

「俺もこの仏間に上がらせて貰っていいか?

直接報告させてもらうわ」





居間に顔を出すと両親はテレビを付け、寛いでいる。

おばあちゃん、遅いのよねと言いながら、さぁ、道明寺さんも座ってと、千恵子はお茶を出す。

「SPさんは?」

つくしの問いに、

「表と裏口に交代で警護に当たんだろ。オイ、それは、止めさせれねーかんな」

ハイハイと返事を返す。

「あれ?パトカーのサイレンの音。ここらじゃ珍しいね」




ウゥー



ウゥゥゥー


パトカーのサイレンの音が近くなる。


あれっ、家の前で停まった?


んんっ?

何だか、玄関が騒がしいけど?!


みんなが慌てて、玄関に出る。


そこにはSPの斎藤さんが警官に両脇を押さえ込まれている姿があった。


「ま、牧野…。警官が来てんじゃねーか…」













「誠に申し訳ございません。つきましては早速、県警本部長より直々に謝罪をさせて頂きますので、何卒お許し下さい」

警官2人が90°に腰を曲げて頭を下げた。

玄関先で、かれこれ30分。


石門の辺りには近所のおじいちゃん、おばあちゃんの顔。


「ふん!また、警察の車がここに来ってか?

来ねたっていいば!人目が悪れーて」

「お、おばあちゃん…。道明寺もいいでしょ?悪気は全くないからねっ?」

「でーてが、あんが、外車みてーな車がここらで何台も停まっていて、柄の悪ーれのが何人もぞろぞろ家ん中入っていってるって聞いたら、たまげるこてやー(びっくりする)近所の者も晴男が借金返さんねーて、ばあちゃんとこに取り立て屋と一緒に来たんだこて。って言われれば本気にすっこて」

腰を曲げた白髪のおばあちゃんが目を三角にして息巻いている。


つまりは、近所の人々が心配して起きた騒動だ。

畑から帰って来たおばあちゃんは、近所の人々の言葉を受けて、警官を呼んだという訳だ。


最悪だ。

道明寺の印象、最悪だ。


はぁ~、アイツも警官に腕組して睨んでるし…。

普通に道明寺に睨まれたら恐いって!

凍り付いてるよ…。警官さん…。


なんてこったい!


「おばあちゃん、心配させて悪れかったね。僕が甲斐性がなぇからおばあちゃんにそう思わせてたんだろ?ばあちゃん、道明寺さんだって、いきなり取り立て屋呼ばわりされて面白れね~んだて。許してくんね~か?」

晴男がおばあちゃんの曲がった腰を擦る。


「おばあちゃん、ごめんね。車が3台になるよって、伝えておけばよかったね」

つくしも手を取る。


「ホントにおめぇ達は優しいっけ、騙されてねーか心配らてば。つくしのここに来るって話聞いてから心配で心配でおーとらったわ(仕方がなかった)」

今度は目に涙を浮かべる。


「誰も騙してないよ。大丈夫だからね」

つくしがそう言った側で、おばあちゃんは腰を曲げた格好で今度は道明寺を睨み付けて、

「この子を騙したりしたら、おらが勘弁しねーんだろ!どうなんだてば!」



道明寺?!

冷静に話なんか出来るの?!


つくしは司の方を向く。

司と目が合う。

司がゆっくりと瞬きした。


「俺は…、僕はつくしさんと生涯を共にする覚悟が4年前から出来ています。今日は此方にお邪魔させて頂けるということで、おばあさんに挨拶させて頂きたいと思ってここに来ました。必ず、つくしさんを迎えに来ます」


「嘘つかねーこてな?アメリカ女が良くなったなんて聞こえた日には、おめぇのチンポコ引き抜くっけな?!」

道明寺はおばあちゃんの言葉に、フッと笑って、

「それは、ご心配には及びません。僕はつくしさん以外は女として見れないのです。気持ちが悪い生物にしか見えない。つくしさんの姿、形、表情、匂い。彼女だけに反応するので間違ってもそれはあり得ません」


堂々と口にしてるけど、聞いてるこっちが恥ずかしいわ。


警官も仄かに顔が紅いけど?!


「彼女の存在だけが僕を男に変えさせるのです」


へぇっ?!何々?!

コヤツ、何を言い出すの?!

イヤイヤ、待て待て。


こんなとこで変な性癖(つくしだけに尋常でない反応をすること)暴露しないでよ?!


「どんなに美女と呼ばれる人が来ようとも、どんなに巨乳の女が迫ろうとも、僕にとっては彼女の小さめ…っつうっ…ぐっ…」

司が腹を抱えて蹲る。

つくしが得意の鳩尾にパンチを繰り出し、司の暴動(暴言?)を体を張って防いだ。


父、晴男は顔面蒼白の顔で、

「そうだよね…。付き合い長いもんね…。そうゆう関係なのか…」

とブツブツ言っている。


母、千恵子は、

「パパ。今頃気付いたの?」

何て言ってるし、


進は指で耳栓している。











何が起こったの~っっ?!


みんなの記憶を消して回っていいですか?!

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