つくつくにっし

花より男子の二次小説です。司×つくです。他のカップリングも送り出します。クスッ、ウフッと、とにかく心が元気に。をモットーに書いていきます。あくまでも勝手な妄想の世界ですのでご了承ください

願い事 6

「おはよー。道明寺、眠れた?」


「車の運転での疲れと、酒の力がなけりゃ多分眠れねーな」

七分丈のパジャマを着て顔を洗ってる男にタオルを渡す。


昨日は男性と女性で別室に布団が敷かれた。


叔父さんが持ってきた新潟の銘酒景虎を男性陣は飲み明かした。

半分は道明寺が飲んでいた。

その後、お風呂に入った後の道明寺は白のガウン姿で居間に現れた。

まさかとは思うけど、何時もと同様に寝るときにそのガウンを脱ぎ捨てて寝る気じゃないよね?

恐る恐る聞いたら、"ダメなんか"と返された。

イヤイヤ、何で良いと思うかを逆に聞きたいわ。

慌ててパジャマを買いに走ろうとしたら(叔母さんに車を出して貰って燕三条駅の近くのデパートまで)おばあちゃんがタンスの奥からこのパジャマを出して来た。

パパか叔父さんが着たのだからと言って道明寺に渡していた。




タオルを受け取った瞬間に道明寺に引き寄せられる。


「ちょっと…、誰か来たらどうするのよ!」

小声で抗議する。

「あー、ちょっと黙ってろ」

そう言ってあたしの頭上に顎を乗せてきた。


気持ちがいい。

身体にぴったりとハマって。

何でだろう。

心が落ち着く。


明日の夜には道明寺はまたアメリカに行くんだ。笑って送り出さないとだよね…。


心が充電されている…。


道明寺が少し腕の力を緩めてあたしの顔を覗き込む。


あたしも何だろう。

タイムリミットが近づいて来たって思ったら、無性に道明寺を感じたくなった。


そっと目を閉じる。




「つくし~、道明寺さ~ん。どこ~?叔父さんが焼きたてのパンを買ってきてくれたよー」










「焼きたてのパン美味しいね。ねっ、道明寺?叔父さん、ありがとう。7時の開店に合わせて買ってきてくれたんだもんね」

「道明寺さんに、昨日の残り物ばかり食べさせれないだろ?へぇー、髪の毛が濡れているとストレートなんだ?寝癖直しでシャワーしてた?俺も良くするからさ」

「そ、そうなのよ。ねっ、道明寺?!」

「そうですね。風呂の蓋が開いていたので、思わずダイブしてしまいましたよ。自分の意思とは関係なくですが」

ギロッとつくしを睨む。


「あはははははは。さ、道明寺、食べよう!まだ、パン温かいよ~」









「この道を真っ直ぐ行くと大鳥居があるんだよ」

弥彦神社を目指し、弥彦山の御神廟を仰ぐ道に建立している高さ30mはある大鳥居だ。

天気が今日もいい。

大鳥居の向こうに弥彦山を仰ぎ見ると、木々の一本一本が山を作り上げているのがわかるほど。


「スゲーな。あそこの山以外全部平野だもんな」

主要道路は商業化しており、スーパーや飲食店、小売店舗などが立ち並んでいて、その回りに新しい団地が出来ているが、少し道を外れると一面の田んぼ。

今は全て刈り取られている。

草が少し伸びて緑と黄色の何とも秋らしい配色が広がっている。


この車にはあたしと道明寺の二人だけ。


みんなはSPさんの車に分乗している。

叔父さんはパンを届けると、従弟がサッカー

の試合があるからと帰って行った。

昨日叔母さんは帰るときに、一緒に弥彦の観光をしたかったと悔しがっていた。道明寺にまた遊びに来て下さいよと、何度も何度も承諾させていた。


「道明寺、ありがとうね。おばあちゃんにも声かけてくれて。ちょっと素直じゃないとこあるから直ぐにうんと言わないのよ」

「お前みてーだな?」

運転席に座る司を軽く睨む。

「誰もこの車に乗ってねーからいいだろ?」

言うなり手をつくしに伸ばし、手を繋ぐ。

「おっ?!今は素直だな」

クククッと笑う。


笑っている横顔を見る。

太陽の光のせいだ…。

凄くキラキラする。


思わず窓の方を見る。

握っていた手をグッと引かれて道明寺の肩に凭れた形になった。


あたしの髪をクシャっとかき混ぜる。


「や、やめてよ…」

「お前が笑ったらな…」


グズッ

ズビッ


スン、スン、ハー。

スン、スン、ハー。


「お返し」

そう言って、アイツのクルクルの髪の毛をかき混ぜた。











弥彦神社は弥彦山の麓に創建されている。

境内は樹齢400年から500年の老杉や子古欅に囲まれていて、鬱蒼としている。それだけで荘厳な雰囲気を醸し出している。

駐車場に、降り立つとすでに気温が1・2度低く感じられる。

「少し、寒く感じるね」

そう言ったら、道明寺はすっとあたしの手を取り、ジャケットの中に一緒にしまった。


「神社の中に入るからな。騒ぐなよ」

そう言って片方の眉毛を上げた。


朱色の一の鳥居を入るとすぐに弥彦山からの清流(御手洗川)が流れている。

左側を見ると半円の朱色の橋が掛かっている。

玉の橋と呼ばれており、神様が通るとされている橋がある。

近所の子供なのか、清流に手をかざし、冷たいと言って、はしゃいでいる。


「なんか、いいね。ゆったりとしているね」

道明寺を見上げる。

「アホ、んな顔してこっち見んな」

目を細めて笑ってる。


あー、また目がキラキラしてくる。

いかん、いかん。



石畳の参道を思いっきり睨んで、気合いを入れ直す。



前を歩いていたおばあちゃんがこっちに向かって手招きしている。


「そこの手水舎で手を清めたら、あっちに"火の玉石"てのがあるっけ、道明寺さん、持ってみれね。心の中で願い事を思いながら持つんだれ」


「何かあるの?おばあちゃん」


「あぁ、これからのお前さんたちの行く末を占って頂くんだよ。やるかい?」


おばあちゃんが腰を曲げた格好で、挑戦的な目で道明寺を見る。


「牧野の婆さん、スゲー良い結果が出てビックリすんなよ」












繋いでいる道明寺の手が少し汗ばんだ。


あたしは思わずギュと力を込めた。

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