つくつくにっし

花より男子の二次小説です。司×つくです。他のカップリングも送り出します。クスッ、ウフッと、とにかく心が元気に。をモットーに書いていきます。あくまでも勝手な妄想の世界ですのでご了承ください

願い事 10

沈みゆく夕日を見ながら食事を取る。


野積の入り口にあるレストランの1つ。

コテージ風の作りになっていて、昼の暖かい時間はオーブンテラスでの食事も取れるらしい。


このレストランを予約してくれたのは進だ。

おじさんに何処か良いとこあるって聞いたら、この場所がかなりの人気店だと教えて貰ったらしい。

日曜日だから取れたって言ってた。

最初は断られたらしい。


お店にはあたしたちの2人だけだ。


それは多分(いや、絶対に)進の働きではない。

そんな事ができるのはこの人しかいないでしょ?


「他の予約の人っていたよね?」

「あぁ、いたらしいな。隣の店か、向かいの店などに行って貰ったんじゃねーの」

「別にいてもいいじゃない」

「あのな、今回の旅行ってのか?帰省ってのか?ずっとお前に合わせてきただろうよ。最後の日のディナーくらい俺の好きにさせろ」


うっ、ううっ…


最後のって…


ポタリ…



…はっ?

何なのよ!

あたし、しっかりしろ!


ズビッ

スンスンハー


「カニも生牡蠣も食べれた。東京じゃ、この金額で食べれないね。美味しかったね。またみんなで来たいね」

「…だな。あっちじゃ万単位のコースになるかもな。お前の親父さんやお袋さん、弟。婆さんも今度は一緒に来るか?」


カニは勿論だが。牡蠣は全国各地からそのときの旬で生食できるものが仕入れてあった。

魚介だけでなく、牛肉のグリルや国産地鶏のグリル、パスタとパエリアも頂いた。

デザートも美味しかった。


今度は皆と一緒に食べれる?

またここに道明寺も来てくれるの?


ズビッ


グスッ


もう、あたしの頭、壊れてきたかも…。


道明寺があたしの頭に手を乗せた。

軽く、ポンポンと叩く。

今度は両手を乗せる。


ぐしゃ


ぐしゃぐしゃ


「な、何するの?」

「変なこと考えねぇようにな、俺様の手からパワーてぇの入れんの」

そう言って目を細める。


ポタリ


ポタリ


だからねー。

もう、何されても零れる。











「ここもあたしたちだけ?」

「あぁ、そうなるな」


予約を入れたのは進だ。


レストランの駐車場の脇にあるコテージ風の宿泊施設。

丘の傾斜を利用して建てられている。


素泊まりOKで、食事はこの辺りのレストラン利用し、お風呂は向かいのホテルを利用する。

大人一人4000円だったから払えたって言ってた。

まさか、予約をいれる度に道明寺のSPさんが他の予約者達を他のレストランやホテルに移っもらう手配をしていただなんて考えてもいないだろう。


『おじさんたちと夕飯を頂いて最終の新幹線で先に帰ることになったから。そのレストランすっごく混んでいるんだって。あっ、おばあちゃんが寄ってから帰れだって。それと、カニ食べたよー。じゃあねー』


有無を言わせず用件だけを伝える電話だった。








「何か…、始めに思ってた旅と違ってた」

「あぁ…。そうだな」

「あんたも一緒に来てくれて…良かった。ありがとう…」

「だな、俺様を置いて行くとこだったからな」

司はつくしの顔を両手に挟み覗き込む。

「ご、ごめんね…。ちょ、ちょっと、そんなに見ないで…」

「何で?」

「何でって…。その、いろいろ恥ずかしいじゃない…?」

薄明かりの室内。

辺りは静まり返り、波の音が聞こえて来る。


司はつくしの前髪を撫でる。

そんだけで頬を染めて、涙が零れてるって、めちゃくちゃ可愛いすぎんだろ!

神社に行って古の神となった人々の想いに触れちまったせいなんか?

ガラにもねーけど、今の自分と重ねちまってんな。

いとおしくてたまんね…。

交わる直前に行う1つの行為。

直に触れてみたい…。

例えこれが最後の一夜となっても悔いが残らぬように…。



つくしは司が髪の毛を撫でる度に頬に涙が伝うのを止められずにいる。

あたしだけが道明寺の髪の毛を撫でることができる。

あたしだけが彼の体に触れる事ができる。

あたしだけが…。

全てを感じたい…。

例えこれが最後の一夜となっても悔いが残らぬように…。


全てを溶かして一緒になりたい…



2人の視線が交差する。


視線だけでそこに熱が生まれて浮かされそうになる。


もしも、この一夜が最後になったら…

そうなる事も有り得るんだ…


あたしは肌を合わせる度に弱くなる自分がわかる。

道明寺はあたしだけに欲情するって言ってる。

男の人なのにホント?って思ってた。

でも、あたしも同じ。

道明寺にしかこんな姿を見せれない。

他の人にはたぶん無理だ。


道明寺がいなくなったら、あたしは恋に恋い焦がれて多分枯れていくだろう。


あたしの小さな胸を見て、目を細めて唇を少し開ける仕草。


あたししか見たことないその表情。


全てが欲しい。


「ねぇ」「なぁ」

2人同時に口にする。









今日はそのまま感じていいか


うん


大丈夫な日だよな


うん


素直だな


うん


いつもそうしろ


それは無理


今日だけ許す





言い終わる頃にはふたりは重なりあった

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