つくつくにっし

花より男子の二次小説です。司×つくです。他のカップリングも送り出します。クスッ、ウフッと、とにかく心が元気に。をモットーに書いていきます。あくまでも勝手な妄想の世界ですのでご了承ください

願い事 最終話

「ばあさん、結構な…重労働だな…」

「あんたら男の手があって助かってば」

「これ…フンッ…全部…する気かよ?」

「今、してもらわねーば、いつすってば?」

「まぁ…しゃあ…フンッ…ねぇか…しかし、スゲェ…形だな…」


里芋が植えてある畑に190センチ級の厳つい男が5人。

腰の曲がったお婆さんにあれこれ指示されて畑に鍬を持ち、軍手をして土にまみれている。

1人はモデルのような男で、身に付けている服だけでも、ウン十万はするだろう服を纏ってだ。

その男を囲むように3人の男。もう1人は絶えず、双眼鏡で辺りを見渡している。

『この平たい大地です。いつ、どこからスナイパー等が狙っているかわかりませんので』

大真面目に答えたSPの面々に、つくしは"なるほど大変ですね"と頷き(半ば呆れた顔で)、ばあさんは目を丸くした。




「掘ったばっかのを蒸かして食うと、うんめぇろが?金が高けぇのが良いのとは、限んねーんだろ」

「そりゃ…間違い…ねぇ…この芋…は…フンッ…本当に…旨い…からな…」



ばあさんの家に戻ったら、小さい里芋が蒸かしてあった。


朝のニュースで俺がアメリカで事業拡大するって流れていて、ばあさんはTVと俺を見比べて、ゲハゲハ笑っていた。


牧野はあれだけ食べてたのに、また食べ始めた。

俺が呆れて見ていたら、

『見た目が皮付きだけどね、こうして指で押すと、里芋が出てくるでしょ?ほら、ワサビ醤油で食べると美味しいから』

と牧野は葡萄を食べるみたいに皮をツルッと剥いて俺に差し出してきた。

いや、牧野よ。

そうじゃねーよ。

どんだけ食うんだって…。

まっ、あいつの指が可愛いから食べるか。

もちろん、指も一緒に。

って、指も舐めておいた。

"のっぺ"つう煮物も里芋の旨さが分かった。

ねっとりしていて、舌触りもいい。

牧野とキスした時の…



「ほー、分かんだか?」

「ウオッ!」

ば、ばあさん!いきなり出てくんなよ!焦っちまったじゃねーか!

鍬を土にブッ刺して、

「俺様を誰だと思っているんだ。ばあさん。良いモノとそうでないモノの区別は瞬時にできる」

「ほほぉー。そうらか」


畦道で一生懸命に芋を解体しているつくしを見て、

「でなきゃ、牧野を探しだしてねーの」

「ウハハハハッ」



朝飯は向かいのホテルでのバイキングだった。

牧野はと云うと、スゲー食ってた。

ご飯にパンにお粥。釜飯。

勿体ねぇとか言って、少しづつの量を皿に盛ってきた。

何が勿体ないんだ?と思うが。

俺がコーヒー(旨くもねーの)だけにしてたら、サラダとヨーグルトとクロワッサンを勝手に持って来やがった。

『美味しかったよ~』とか、

『ちょっと頂戴』とか、

牧野が食べたいだけだろうと思ったけど、凄くニコニコして、パクパクモグモグ食べて、可愛かった。


夜もパクっとたべて…ペロッて、ピチャッって、可愛かった…。

タマんね…。


「 何考えてるや?」

ばあさんが上目遣いで見ていた。

「ヌオッ?!、ば、ばあさん?!いきなり足元にいんじゃねーよ」

「そんな言い方して良いんだか?」

「ばあさん、ちゃんとお返しってぇの?してんじゃねーか」



牧野が、

『おばあちゃん、お芋、美味し~い。持っていける?』

何て言い出した。

『掘ってあるのこれしかねぇから後で、ゆっくりと掘って送ってやる。おら、そんがに早くできねー』

『掘るのって。大変?』

ばあさんが、大きく頷く。

『大丈夫だよ。道明寺がいるじゃん!めっちゃ、パワーだけはあるから!今のうちにやって貰おう!』

ニコニコしながらこっちを見た牧野。


お、俺にかー?!

畑で芋掘りー?!

本気で言ってるのか?!

恐る恐る、ばあさんを見れば…


目をキラキラさせてんじゃねーよ!

断るに断られねーじゃねーか!


という訳だ。



「何、言ってるや?!つくしが持っていくって言ってんだっけ、男らば力仕事して当然らてば」

杖にしていた棒を振り回してくる。

「ホントにタマに似てんな…」

「そんがにおらに似てるか?」

司は、タマを思い浮かべる。

「あぁ、似てんな」

「会ってみてーな」

「会わせてやんよ。近々な」

「ほほぉ~。良いんだか?」

「あたりめーだろ。俺のばあさん、みてーなもんだって、タマ本人が言ってるからな」


なんだかんだ言っても、まだ21、22歳の青年だ。

言いながら照れてんねっか。

可愛いもんだて。


「その人がいろいろ教えてくれたんだか?」

「…フッ、ガキの頃な。途中でタマも手に負えねぇ状態になった。そのあと、いろいろ教えてくれたのはアイツだよ」

そう言って、つくしを見る。

「ガキの頃から、着るもんも、食うもんも、ありとあらゆるモノを自分から欲しいなんて、思った事なんてなかったわ。全部手元に置かれたからな」

ばあさんは、すごく切なそうな顔をした。

「今はあるんだか?」

司は、つくしを見る。

「アイツだけだ。俺が欲しいと思うのは。アイツに関わるモノだけに俺の欲求が向かうんだ」

「そりゃ、つくしも大変らの…」

「そうなんか?」

「つくしがお前さんをしっかりと見れてるうちは大丈夫らろ」

「なんだか嫌な言い方だな?ばあさん」

「人間だっけな。あんま、がんじがらめにすんなよ。捲れた網をほどこうとすっけな」

「もっときつくすれば…」

「そんが事すっと、死んじまうぞ。おらの孫を殺すなよ…」

ばあさんを見る。

「傷つけたくねー。大切なんだ」

「ありがとうよ。道明寺さん、あの子は晴男に似て、優しいろ?それと、千恵子さんに似て底抜けに明るくて、思いもしねーような行動をする」

つくしを見て微笑んでいる。

「みんながおめさんの(あなたの)お陰で新潟に集まれたて、ありがとう。じいさんの葬式以来らてば」

ばあさんが目尻を下げた。

「3回忌はつくしの従兄弟たちが季節外れのインフルエンザで、二人とも来れなかった。孫はつくしと進だけ。7回忌はつくしが学校が大変で来れないって言ってきた。まぁ、あの頃はお金もなかったけの」

「何時だったんだ?」

「確か、つくしが高校2年生で、進が中学3年か」

畦道で芋を解体しているつくしを見る。

「道明寺さんは、家族一同揃ってるか?」

「うちはこの何年か揃ってねーな。4人しかいねーのによ。あっ、親父が倒れた時に一瞬揃ったか。んなもんだ」

一瞬、空を見上げた。

「寂しくねーか?」

「はぁ?んなもん感じねーよ」

ばあさんが、シワシワの手を俺の手に乗せた。

「おらは、息子や嫁さんや孫たちが揃ってくれると嬉しいれや」

そう言って、俺の手を軽く叩いた。



道明寺とおばあちゃん、何話してんだろ?

叩かれたり、話をしたり、あっ、手まで握って。

良かった。仲良く出来て。

まっ、アイツも根は悪いヤツじゃないから。


おばあちゃんと道明寺に、手を振る。

何話してたのって聞いたら、おばあちゃんが、

『道明寺さんにおらの願い事を、聞いて貰ってた』

って言って笑った。


「里芋って、こんなだって知ってた?スーパーで売っている状態から想像出来る?」

里芋は親芋と呼ばれる種芋を中心に葡萄状に子芋(里芋)がボコボコと付いている。そして太い根が絡み付くように覆っているのだ。

一株直径30センチにもなる。

葉っぱも蓮の葉のように大きい。

「いや、始めてだ。俺も掘っている時に正直、ギョッとした」

「だよね。何かグロテスクで怖い感じ。地球外生命体みたいな。あっ、道明寺みたいだね?」

「はぁぁぁぁ?」

何だ、コイツ?

俺様が芋だと?!

「牧野?どこをどう見たらそう見える?」

恐る恐る聞いてみる。

俺が宇宙人と話しているみてーな気持ちになってんぞ!

「だって、この太い根っこ。あんたの血管みたいじゃん。ほら、額にも浮き出てるよ。あっ、あんたの髪の毛みたいにも見えるよね。芋に絡み付いていて。でさ、こんなに怖ーい形しているから大丈夫?と思いきや、解体してひとつづつに分けると、可愛いまが玉状の美味しい里芋が出てくるんだよ。ほら、同じでしょ?」

「つくしは天才らの~」

ばあさんがつくしを誉める。

わからねー。

全くわからねー。

要するに俺は芋だと…。

何だコイツら…。

SPども、何で目頭を押さえてんだ?

ますます、わかんねーよ…。








車に里芋とネギと柿、大根に菊等々、いろんな食いもんを詰め込む気のようだ。

さすがに斎藤もマズイと感じたのだろう。

即時にクール便が到着した。

ばあさんが、

『クール便代が勿体ねー』

って言って、俺の車のトランクに積めようとすんのを、斎藤が

『おばあ様がお作りになったものを一番良い状態で東京まで是非とも運びたいのです』

そう言ったら、ばあさんはあっさりと承諾した。







「どこ、触ってんの?!」

「あっ、お前の股って、痛ってーなー。運転中だろーが」

「あんたねー!あたしが大人しくしてると思って、う、う、運転中にそんな事して…って、聞いてんの?!」

「あっ、聞こえてっけど」

そう言いながら、ファスナーを下ろそうとする。

「ちょ、ちょ?ちょ?!何するの?!」

「あっちに着いたたら、即、プライベートジェットで飛ばなきゃなんねーの。だから、手に感触とお前の匂いを閉じ込めるつもりでって、アホか?!バカっ、叩くんじゃねー!」


馬鹿はどっちだ!


「残念だけど。今、生理中なんで、身体的にも無理です」

道明寺を見る。

えっ?って顔をする。

生理がもうすぐって知っていたじゃん。

ホントにコイツは…。


あたしは生理にこの旅行が被るのもあって、道明寺に会いたいような。でも会いたくなかった。


会ったら、道明寺を感じていたくなるのが分かるから。

だから、道明寺からの最初のお誘いの時に、さっと電話を、切ったんだ。


今の道明寺の残念な顔が嬉しい。


あたしも、同じ。


若いうちは排卵が2回ある人がいるって。だから、完全な安全日なんて存在しないって。


もしも出来たらマズイってのは十分に分かってる。


でも、何か残念だった。


道明寺がそっと手を握ってきた。

道明寺に気づかれないように目頭に指を添える。




「それより、おばあちゃんのお願いって、何よ」

「あっ?神に対する願い事は問いただすなって、ばあさん、言ってたろ?」

「か、神~?!」

「あっ?今朝もテレビで俺の事を現代の生ける男神って、言ってたじゃねーか」


開いた口が閉じないとはこの事を云うのよ…。

自分で言っちゃう?


あはははははっ


道明寺だから、許せるか。

あたしも甘くなったもんだ。


「で、神はその願いは聞き入れられるの?」


「あぁ、楽勝だな」


そう言ってつくしを抱き寄せ、チュッとおでこにキスを落とした。











ばあさんの願い事。


『再来年に、じいさんの13回忌があるっけ、今度は家族一同みんなで集まってほしいんだて。

道明寺さん、おめさんも家族として出れると良いんだろも。どんがらろ?』













『も、も、もうひとつ、良いかや?』



『何だ?何でも叶えられるぞ』





『け、け、警護に付いてくる人をさ、斎藤さんにしてくれっか(///∇///)』


おわり

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