つくつくにっし

花より男子の二次小説です。司×つくです。他のカップリングも送り出します。クスッ、ウフッと、とにかく心が元気に。をモットーに書いていきます。あくまでも勝手な妄想の世界ですのでご了承ください

悪友と親友 9

リビングをぐるっと見渡す。

みんながニコニコして笑っている。

今日夕方から友人たちが久しぶりに集まっていた。

うん、あたしの知っている光景だ。

で、横を見る。

「お化けでも見ているような顔してんじゃねーよ」

「ほ、本物ですか?」

驚いたか?って、言いながらチュッチュッと頬と唇にキスをしてきた。

すかさず横に飛び退いた。


ぬぉぉぉー、油断してた!!


「な、な、何すんの?ひ、人前で」

「お帰りの挨拶だろうが」

口をパクパクさせるつくし。

「わかった。わかった。コイツらが帰ってからゆっくりとな。という理由だ、お前らさっさと帰れ、帰れ」

「へっ?はっ?いい!いいの。みんなここにいて。明日は日曜日だからさ。みんなゆーっくりとしていって!」


類がクスクス笑いながら、目覚めたばかりの牧野に司から話をしてあげなねって、ウインクしてる。

おぅ、と司から

「いいか、牧野よーく聞けよ。たった今アメリカから帰ってきた。週明けからこっちで勤務」

「はっ?」

「それと、学生だとかグダグダ言って逃げようったって今後は一切認めらんねー」

「ひぃ!」

「俺の誕生日に婚約発表。お前が大学卒業してその年の7月の吉日に結婚式」

「ふぇぇ…」

「概ね招待する人々にはスケジュールの調整をお願いしてある」

「へぇー」

「ほぉぉ、お前余裕だな。次は"ほっ"とでも言うつもりだったか?」


バレた?って、小さく舌を出した

「俺が代わりに言ったから別の言葉にしろ」



「…お帰り、お帰り道明寺…。スッゴく頭の中がごちゃついてるよ!」


言い終わった瞬間、アイツの香りに全身がすっぽりと包まれた。







「あたし、何だか大人になってるかも…」

「あっ、そりゃお前カラダは立派に大人に……って、いってぇーなー、頭を殴るな。彼氏の頭をポカすか殴る奴がいるか!」

「アンタがいちいちイヤらしいこと言うからでしょ!」

ニヤニヤしながら、

「お前にこそ、すぐにイヤらしい発想になるんだな。俺は当然二十歳越えたっていう意味で言ってんの」

「はっ!なっ!何で、もう…」

「で、何が大人だって?」

笑いを堪えながら聞いてくる。

顔を真っ赤にしながら、

「お、お酒がね。お酒に強くなったかもって」

「……。お前、まさかこれ酒だと思って飲んでたのか?」

「えっ、違うの?カクテルって、類が言ってたもん」

「三条だって同じもの飲んでいるだろうが」

「あたしのは入っているかと思ってた…」


違うの?

えー、だってスッゴく心がハイになったりローになったり酷かった気がする…。


何?なに?あたし、後半シラフであんなだったってこと。


もしかして、みんなこれにアルコールは入ってないって知っているの?

「まぁ、牧野カクテルは酒と何かを割ったものという概ねの概念はあるけど、香り付け程度のものもそう呼んでいることもあるんだな~」

と美作さん。

つくしは慌てて口を押さえた。

また、大きな独り言を話してしまったとか!

「……。ふ、ふははは」

乾いた笑いしか出てこない。


穴が欲しい。

ここに今すぐ穴を作っておくれ!!!


「美作さん、これってほんの香り付けにラム酒が数滴入っているんですわね」

「そっ、ケーキの香り付け程度だから桜子大丈夫だぞ。牧野、実はこのカクテルちゃーんと名前があんの」

「な、何ていうの?」

"乙女の祈り"

なっ。

今日の牧野と桜子にピッタリだろ?って美作さん、ホントに~?!

西門さん腹抱えて笑ってるし、道明寺は何か照れて頬をポリポリしてるけど!


類が桜子のお腹に耳を当てて『あうん。そうだよ…』小声で何か言っている。

「面白い人でしょ。将来キミのお友達のお母さんになる人だよ」

桜子の腹に話しかけている。

「る、類~、それはまだ早いって…」

「でも遅かれ早かれ学年は違えど幼なじみにはなるでしょ」

「おっ、類、お前いいこと言うな~。よし、んじゃお前ら帰れって、いってぇーなー、いちいち殴るんじゃねー」

つくしが会心の一撃をお見舞いしたとこで、

「お前ら、それより、さっきからおかしいとか。そりゃマズイだろとか感じないのか?」

あきらがみんなをぐるっと見ながら言った。みんながキョトンと、あきらを見る。


何が?

道明寺がここにいること?

テレビに映っているのはほぼ録画で編集後のだよ~。


「アホか、牧野。それくらい知ってるわ!

類だよ。類。桜子の腹に話しかけて…普通なら殴られるぞ」

「うーん、ダメなの?」

と類。

「いやいや、ダメだろ!」

「あっー、あきらきゅん。もしかしてあきらきゅんもしたいとか言うんじゃないれしょうね」

少し呂律が廻らなくなった滋が詰め寄る。

「絶対、ダメらからね!」

「分かったって、どうしたよ?飲み過ぎたか?何で類は良くて。おかしいだろ?」

あきらのその言葉に総二郎は苦笑い。

「類さんは特別なんですよ」

と桜子。

あきらくんは絶対にダメと滋さん。

自分でマダムキラーって名乗ってた人だよって。

桜子もそれを受けて

「そうですね。美作さんは絶対にダメです」

「優紀ちゃん、おかしいと思わないか?」

優紀に振ると、

「いえ、わたしもそう思ってます」


みんなが腹を抱えて大笑いしている。


「ねえ、道明寺、これって夢じゃないよね…」

「どうしたよ」

「みんな、あたしと桜子以外は学生終わっているんだよ。まあ、あたしもちょっとは働いているけどさ。こんなに学生の時みたいにはしゃいでさ…」

隣を見る。

今日のこの会が始まった時にこんな光景想像できた?

出来てたらあんなになんないもんね。

そっと道明寺があたしの肩を抱く。


あたしの一生の宝物が今この場所に集まっているんだ。





「ねぇ、ママあのさ高校や大学で出会った友達は一生の友になるっていうでしょ。あたし、全然友達出来なかったね」

「何言ってんの。あんなにいるじゃない」

「えっー、そう?飲みに行ったり、ランチに行ったりさ。他の子なんていろんな人といっぱいで集まってるしさ」

「本当の友達なんて大人になれば、4、5人いればいい方。そりゃさ、何かの会とかの人たちと飲んだりっていうのはあるとは思うよ。

だけど、人の心配を本当に親身になってくれる友達なんて結局何人もいないもんだよ。

つくしはいるでしょ。すごく親身に悩んでくれる友達がさ。ママに感謝しなさいよ~」

「そうなのかな~」

「英徳に入ってなければあんなハイスペックな友達持てないわよー」

「確かにそうだね。スペックが人より高すぎるしね」

「ママは結局学生の時の友達で今も交流があるのは和也くんのママだけだよ」


ママとの会話を思い出す。




んんっっ?!!和也くん…?



ピンボーン


ピンポーン









誰でしょね(*^ー^)ノ♪

悪友と親友 8

「 …先輩、先輩」

桜子、また泣いているの?

やっぱり情緒不安定だよ…。

以前の桜子ならこんなにならないもんね。


あれ、あぁ、あたしか。

ゴメン。

あたしがこんなにボロボロ泣いているからか。

不安定な心を移しちゃったね。

飲み過ぎちゃったのかな~?

今日はホントにどうかしてる。

F3にまでこんな姿を見られるなんて、ホントにイヤだ。

女の子同士でもあたしはこんな姿を見られることに抵抗があるのに。


バカ!

アホ!

道明寺!!


あたしがこんなになったのもアンタのせいだからね。


どうすんの?


男がいないとダメなオンナになっちゃうよ…。


強いオンナでいられなくなる…。


ひとりでも生きて行けるって豪語していた時って、どんなだったか忘れちゃった。


アンタが好きでいてくれた牧野つくしはもういなくなっちゃったよ…。



ピロピロピロリン


誰かにメールが届いたみたい。


ピロピロピロリン


まただ。


優紀が携帯を持って来る。

「つくし、つくしの携帯に来てるよ!」


誰がメール送ってくるの?


つくしは携帯の画面を見て目を見開いた。


『みんな、集まってるのか?楽しいか?

あんまり飲みすぎてないだろうな?』


次のメールには


『俺は、お前に逢えればそれでいい。いい子にして待ってろよ』


完全に涙腺が崩壊した。


F3がこの場所にいることなんて完全に頭からぶっ飛んだ。


優紀と滋さんが泣きながらもあたしの背中を擦ってくれてる。

桜子は泣きすぎて顔を見せられないと言い、

洗面所に行ったきり帰ってこない。


感情を出し切ると何だか気持ちいい。

暫く泣いたら落ち着いてきた。


ピンポーン


チャイムが鳴ったから。

何も考えずに玄関に来た。

インターホン越しに確認するようなマンションにはまだ正直馴れてない。

ドアを開ける。



少し甘酸っぱいコロンの香りがする。

特徴的な髪型の男が目の前に立っている。

「よう。お前が来いって言うから来てやったぞ」

男の微笑んだ顔が見えた。


その瞬間、視界が暗くなって。

脚から力が抜けた。










髪を撫でられている。

時々指に絡めているのか少し引っ張られる。


額も撫でられている。

気持ちいい。

鼻筋をたどり、唇をゆっくりと指でなぞられる。

チュッ。

チュッ。

チュッ。

誰かキスした?


あれ、何だろう?

この枕ちょっとだけゴツゴツしてない?

生地はスベスベで手触りはとってもいい。

ナデナデ。


んっ?

んっ?


「あんまり、撫でんなよ。反応すんだろ」

少し低めの声が耳元で囁く。

「後でゆっくりな…」


んんっっ?!!

勢いよく顔を上げた。


「痛ってー、お前なー、急に顔を上げんなよな」

顎を擦っててるこの男。

道明寺?

何で?


そのまますくっとその場に立ち上がって、

バンバン両手で思いっきり自分の頬を叩く。


「いったぁー」

めっちゃ痛いんですけど。


「お前なー、涙で目は腫れてるわ、鼻は赤いわの上に頬まで赤く腫らしてどうすんだよ」

ホントにおもしれーなと言ってゲラゲラ笑っている。


テレビの中で見た男と違う。あんな清ました笑いかたなんかしない。



22歳の等身大の男。

あたしの知っている道明寺司がここにいる。









やっと逢えました(*´∀`*)

悪友と親友 7

桜子が静かにソファーに腰掛けた。

「何か、牧野ギャーギャー言ってる」

類はソファーに寝転びながら、片目を薄く開けて呟く。

「元気が出て良かったですわ。あれでこそ、牧野つくしですもの」


「類さん、今日も先輩のところで手伝って来たんですか?」

「うん、途中でケーキ買ってきて、また少し手伝った。何かパソコンに詳しい人が暫く休んでいるとかでさ。プログラム作るのがね。

進は覚えが速いよ。目がキラキラしているもん」

類はクスッと笑って

「牧野は手書きの時代は終わるのかって、嘆いている」

「先輩らしいですわね」

「うん、そうだね」

ビー玉の瞳が煌めく。




「ピンクの可愛いじゃん」

総二郎はそう言いながら優紀の隣に座る。


「やっと短大に入ってから自分の携帯持ったんですよ。前のだって春に買い換えたばかりだったのに」

「そう言うなって優紀ちゃん。牧野も大学に仕事にで連絡取りづらいだろ?」

「そうですけど…」

「まっ、いろいろ人助けだと思ってさ」

とウインクする。

「あっ、あたしは番号も変わってないから困らないですけど、西門さんは困るんじゃないですか?」

いろいろな人に教えないとでしょうからと言いながら横を向いた。

一瞬、総二郎の目が細くなる。


「優紀ちゃんは鋭いねー。大丈夫、これは

2台目にするつもり。超プライベート用ってことで、これが俺のアドレス」

「えっ?」

そう言いながら優紀の携帯を取り

「登録完了したから」

そう言いながら優紀に携帯を返した。


暫くみんなでアドレスの交換会が行われた。

「牧野、アドレス初期のでいいのか?」

美作さんが聞いてくる。


「あっ、うん。いいかな」

あたし以外は変えたみたい。

『tukasa-love』にしないのかと西門さん。

馬鹿言ってんじゃないよ。

面倒だしコレでいい。ていうのは本当はウソ。アドレスこっちが変えちゃったらアイツからのメールがあたしに届かないでしょ。

それくらいはあたしにだって分かるよ。

だからさ。


「俺たちのアドレスは会社のパソコンからでも送っておくわ」

そう言って、あきらは一人一人に再度確認した。


試しにメールを送ってみようかと西門さん。


ピロピロピロリン


優紀は辺りをキョロキョロするが自身の携帯から鳴っているのを確認すると、

「試運転成功です」

と優紀は自身の携帯画面を総二郎に見せた。

「良かったよ。それで」

返事はどうする?って聞いている。

優紀は携帯を弄り始めた。

『時間があれば』そう打ち込み返した。

ふぅーと大きく息を吐いてから、自嘲気味に笑って「まいった…」と小さく呟いた。


「つくしもメール送ってみたら?」

優紀が言って、西門さんが後に続く。

「そうだ、牧野も送ってみろよ」

道明寺~、さみしいよ~、逢いたいよ~

とか今日の乙女なお前なら送れるだろ!って、喧嘩腰の言い方。何か機嫌悪いのは気のせい?

「はぁ?!そんなの送れるか!」

こっちまで、喧嘩腰になる。

優紀が間に入る。

「試運転って考えて何か送ってみたら?」

「…そ、そうだね」

今、電源が入ってなくても、ONになればその時点でメールが伝わるし、2週間は通信社の方でデータを保存しておくらしい。


『みんなで今日うちに集まって飲んでます。

久しぶりにみんなが勢揃い。楽しいよ~。

道明寺も来てよ』


うん。よし。送信ボタンを押す。

アイツが見たらクッソーってなって、早く帰って来る気が起きないかな。

チョッとだけイジワルしてる。


だってそうでしょ?

携帯電話だけ寄越して連絡はなし。

今までは普通なら2日に一回、もしくは3日に一回は電話があった。石油事業の契約がらみで、中東に行ってるときこそ連絡が入らない時があったけど、事前にどのくらいの期間連絡が取れなくなるか、事前に伝えてきてくれてた。それがここ1ヶ月あたりは全く連絡がない。

たまにはあたしから連絡寄越せっていう事?

それで、この携帯?

回りくどいことしてさ、何なのよ!


はぁー、ホントにあたしって可愛くない。

どうしてこんな考えに行っちゃうんだろ…。

西門さんの言うとおり"さみしい、逢いたい"って文字ですらも送れないんだもんね…。








類が見たい番組があると言ってテレビを付ける。

丁度9時前。各局数分ニュースを報道する時間帯だ。


「つくし、つくし早く来て、いいから早く!!」

「先輩、早く!!」

滋と桜子が同時に叫ぶ。



空いた皿やグラスなどを優紀と一緒にキッチンに運んでいたつくしは、慌ててテレビの前に来た。


テレビから特徴的な髪型をした男が画面いっぱいに映っている。


『……さん、新しい携帯電話サービスの完成が間近で、その完成と共に日本への帰国が確実となるというお話が聞こえて来てますが、真意のほどをお聞かせください。』

『現在、日本の個人の携帯電話からアメリカや、世界各国に直接アクセスできるシステムや、パソコンへのメールのアクセスなどに関する業務提携や規約などの話し合いが、新しい携帯電話の開発と平行して行われてます。

出来ればクリスマス前には完成に漕ぎ着け、皆様に新しい通信システムの世界を体験してもらいたいものです』

テレビの中にいる男は抑揚を抑え淡々とテレビカメラに向かって答えている。


『完成間近となると、クリスマス前には帰国することになるんでしょうか?』

女性リポーターは声が少し上擦っているように感じる。

『是非ともそうしたいものです』

そう言うと、口角だけを少しあげ、目を細める。軽く手を挙げてから颯爽と歩き始めると、四方をSPたちが素早く取囲み社内に入っていく様子が収められている。

スタジオに画面が切り替わる。

スタジオの女性アナウンサーは顔を少し赤らめ

『時代の寵児、または天授の偉才と称されらる道明寺司さんのコメントです』

『いやー、何と言いますか、VTRの映像からも彼の持つオーラが感じられますね。男性の私からみても惚れ惚れします…』



画面を見ながらつくしは体が固まったように動かない。

今、帰って来る的な発言したよね。

あたし、聞き間違いじゃないよね…。


「「…つくし、つくし」」「…先輩」

「あっ、ははっ…。今、戻れるって…言ってたよね」

「うん、うん。言ってたよ。言ってたよ。つくし」

つくしはペタんとフローリングの床に座り込んだ。







「スゲー、超タイムリーな話題じゃん」

と総二郎は携帯電話をヒラヒラさせた。