つくつくにっし

花より男子の二次小説です。司×つくです。他のカップリングも送り出します。クスッ、ウフッと、とにかく心が元気に。をモットーに書いていきます。あくまでも勝手な妄想の世界ですのでご了承ください

初恋と嫉妬 6

司はじっと携帯のストラップを見つめている。

土星をモチーフにした形。そして、Tの文字。

後ろには"Tsukusi"と彫ってある。


これを渡した時は、恥ずかしそうに受け取っていた。






CM撮影までに急いで作らせた。何でかって?

日本中。イヤ、世界中にペアで付けていることをそれとなく公表するため。

大々的には今は無理だ。

俺的には今すぐにでも婚約者として発表したいところだが、ババァが牧野の仕事を理由にストップをかけている。


というか、何か別の思惑があるのではと思っているが、牧野に被害が及ぶ事はないようなので、静観しているところだ。


今回のプロモーションからCM、雑誌の掲載に至るまでのほとんどを牧野が陣頭指揮を取っている。

一大プロジェクトと言ってもおかしくない。

てか、俺らを全員起用出来る人間なんて、この世にいるんか?

しかも無償でって。アイツ以外無理だろう?


いくら道明寺の名前があり、優遇されているとはいえ、仕事を受ける側はその道のプロ中のプロだ。

牧野はお金をなるべく掛かけないように無名のデザイナーたちや若手のカメラマン、放送作家たち等を起用している。


俺は最初は猛反対した。

一流のデザイナー、売れっ子の放送作家を起用して最高のモノを作らないかと。


牧野は自分が未熟なのに成功者を集めて作れないって。

新人たちだけで作りたいって。

新しい時代を作るんだって。

ある意味これが成功する事で、みんなが自身の出世にもなるでしょ?

そんな風に少しでも力を貸したいって。

あたしがチャンスを貰ったように、少しでもそんな機会があればって。


評価自体はきちんとされるべきだし、そんな所でご機嫌取りや媚びへつらい作成されていれば、これから先はこの仕事で生き延びれない。

人の目は確かだ。

綻びが出てくる。


牧野の評価と云えば上々だろう。

とにかく脚を使って、腰が低い。ニコニコしているが、言うことはキチンと伝えている。

妥協をしない。で、人の意見に耳を傾けすぎるくらい傾けている。


CM撮影の中盤に牧野が、

『わたくし自体、専門性に欠けることが多々あるかとは思います。皆さんの脚を引っ張る事のないように努めます。どうか、今年一番のCMが出来たと、新人たちだけでこれだけのものが出来るんだと、日本の皆さんに見てもらいたいと思います。CMの最後に映画のエンドロールのように皆さんのお名前を載せて頂きたいと思ってます。

どうか、お力を貸して下さい』

深々と頭を下げ続ける。


俺が、そんな事するなって言ったら、あたしはここでは一番下っ端なんだよって、聞かなかった。


そのあと、徐々に人が牧野の周りを囲み始めた。

牧野が顔を出した直後は、俺らと関係があると分かっていて、少し遠巻きに見られていた。


男たちが最初に恐る恐る声を掛けている。


俺が暴れそうになるのをあきらが抑える。

類が牧野にメールを送るように声を出した。

メールが送られてくると、総二郎が携帯を取り上げて読み出したりした。


その時のじゃれあっているような様が、そのままカメラに納められてCMの一部分になっている。


牧野が恥ずかしそうにこっちを向いて笑った。

俺がそんな牧野を見つめているのもカメラに納められた。


世に出回ることはなかったが。




あの辺りまではまだ良かった。




あの日に大学で何かあったのか気になって、大学の学生として入り込んでいるSPに話を聞いた。

『恐らく、教授が牧野様が多忙な事を踏まえて、自ら選択をしてここら辺で宜しいですよとお声掛けがあったようです』

『見知らぬ学生辺りが牧野様に履歴書を渡してくるのをここ最近よく目にします。男女問わずです』

『表だって、牧野様に嫌がらせ等をしてくる輩はおりません』


大学に行った後で牧野はスタジオ入りした。

凄く、機嫌が悪かった。

あの時、大学で何かしらあったと確信しているのに。




何故だ?




牧野のマンションに泊まるのも断られる。


"道明寺も忙しいでしょ?

あたしもいろいろ忙しいし、やることがあるの。エレナもいるから道明寺が相手してあげないとでしょ?"


仕事場でしか会えないとメールすれば、そんな返事が返ってくる。


牧野は良くも悪くも、自分にも他人にも、色恋沙汰には鈍感だ。


エレナにはきっぱりと話してある。

CM撮影後に、

『つくしに、あのね、その…あたしの…、その…』

とモゴモゴ言ってきた。

こいつは牧野の友達だ。だから、邸に寝泊まりするのも俺も容認した。(あの、取引先のウィルソン氏が絡んでいるから、ババァが泊まらせることにしたのもある)

でなければ、放り出している。

『諦めろ。俺は何をしても牧野以外は目に入らない。例え、裸になられてもだ』

エレナがビックリして顔を上げた。

『俺は牧野と違って鈍感じゃねぇ。お前がすり寄って来ねーし、牧野のダチだと云うからここに置いておくだけだ』


エレナの顔が紅くなってくる。


恥ずかしそうに、もじもじとし始めた。


…何も感じねー。


女の恥じらう姿も、何もかも。


俺は、アイツ以外に多分。いや、絶対に反応できないんだろう。


アイツらに言ったら、

『お前、ある意味ヤベーよ』

『男性機能がおかしいことになってんな』

『司って、恋愛の感情が凄く女っぽいもんね』

類が変なことを言いやがった。


『類、俺の何処が女なんだよ!』

『えっ?全部』


そのまま横になる類に掴み掛かろうとして、あきらに止められる。


『類も端折るな。司いいか。普通、男は誰でも云いとは言わないが、反応出来る生き物だ。女は感情が先で、気持ちがないと反応出来ない。それを言ってるんだろ』


『毎日のように牧野とイチャイチャしてるんだからよ。どうでもいいわ』

総二郎がきつく言い放つ。

『総二郎、お前な…。今は止めてくれ、ややこしくなるからよ』

あきらが間に入る。


『今じゃ、童貞だった司が女と毎日イチャイチャして、女を取っ替え引っ替えしていた総二郎が一途に我慢か。凄いことになってんね』


『『んだとーーー!!!』』


ブチッときて、

『毎日、イチャイチャしてーが、出来てねーし。何故だーー!!!』


それを聞いた類がゲラゲラ笑う。


総二郎が、

『あの時は桜子と和也に踊らされただけで、ホントに何もなかった…。何で、あんな事に…。くっそーーー!!類、笑ってんじゃねー!!』


俺らが揉めていたら、

『うるせーーー!!!心配なら自分でまず確かめろーーー!!!いいか?!まずは自分で確かめてから相談を持ってこい!!!いいな!!!』

あきらがキレた。


その後に類が、疲れたから横になるって言いながら、

『司が女って事は、牧野は男か…。情に流されて移りやすい何処があるからな…』

ボソボソ言った言葉で、嫌な予感がした。確かにそういうところが牧野にはある。



だから、なのか?



牧野は自分の気持ちにも鈍感なところがある。



最近は、あの男と常に一緒だ。




痩せやがったら、俺に何だか顔立ちが似てやがる。

いことだか、何だか知んねーが、どちらも母親に似ているんだから仕方がねーけど。(従兄弟・いとこです。司くんはよくお間違えに)




雰囲気が類に似ているってのが、また気に入らねーーー!!!




よし、自分で先ずは確かめろか。


あきらがスゲー、キレたからな……。








邸に戻る車の中であれこれ考えてみた。


休みなのに仕事に来てる。

牧野も仕事だから、ますます距離が遠退く。


自分たちが笑っている看板があちらこちらにある。


あれは牧野に向けた笑顔だ。


「今日から、予約開始か?」


「はい、恐らく凄い数になりますよ。司様」


「牧野に連絡入れる」


「畏まりました。今は、会社で自身の仕事をされております」


「あの男も一緒か?」


「清永様もご一緒に作業をしているとの連絡は入っております」


斜め前に座っている西田が、

「司様、その様な極悪な顔でお会いになる事のないように」








あの時の時間を巻き戻したい。


この後でそう思う事になろうとは…。

初恋と嫉妬 5

桜子の頭の中では、凄い早さでつくしの話している内容の整理整頓を行っているところだ。

時々、桜子の常識の範囲内から大いに外れてくるため、それはもうスーパーコンピューター並みに労力を費やしている。

今は妊婦で太らないように、極力甘いものは避けている。

しかも、カフェイン等もっての他と、妊娠が発覚してからは口にしていなかった。


先輩…。先輩も自分で何で道明寺さんを避けたいのか分からずにいるんですね…。


わたくしにも分かりかねております…。


道明寺さんから、『牧野の機嫌が悪い。理由を探ってくれ』その様に昨日お電話を頂きました。(和くんの所に来たのですけど、隣で寝ていたので、直ぐにお電話を換わりました。ますます道明寺さんは機嫌が悪くなりましたけど。)


もう少しで、日の変わる時間帯でしたわよ…。


昨日、何かありましたね。


わたくしの勘ですけどね。


女のわたくしでさえ、理解出来ずにいるのに、男である道明寺さんがそう簡単に攻略出来ませんよ。


まっ、そこが先輩のおモテになる1つの武器なんですけれど…。


あぁ、甘~いカフェオレ。これで2杯目にいきそうですわ…。


「CM撮影の時もエレナが道明寺と一緒に先にスタジオ入りしていたの…」


つくしが、そんな桜子の動向に気を回せる筈もなく、またポツリ、ポツリと話を始めた。









『まーきの、待ってたよ。また、ゼミ?』

『うん、卒論の事で教授に聞きたいこともあって。何か、時間が被っちゃって。ゴメンね』

つくしは、まじまじと類を見つめる。

『ププッ、類~っ。スッゴく可愛いーーー!!何~?!』

思わず、背伸びして類が頭をすっぽりと隠しているパーカーに付いているネコ耳を触ろうとする。

『ま、牧野?!アホなんか?!先に話しかける人を間違えているだろ?』

あきらが慌ててつくしを止めに入る。

『あっ、美作さんも可愛いーーー!!』

『アホかっ?!角に触んなよ?』

仄かに紅くなるあきら。

『あっ、あきら、ズルい。牧野、俺のに触って』

頭をつくしに向ける類。


少し離れた所にいる司が3人の様子を見て、顔が確実に変わった。

鬼、般若、大魔王等々。まぁ、恐ろしい顔って事だ。

美しい人の顔ほど何故なのか恐ろしく見える。

つくしはチラッと司を見て、また、目線を類とあきらの"耳と角"に移す。

今のつくしの態度で、室温が3度から5度は確実に下がった。

司はさらに顔が恐ろしく歪んでくる。

周りは司にさらにビクビクし始める。


『ありゃ?牧野?何か、機嫌が悪い?とばっちりはゴメンだぜ』

総二郎がやれやれと首を振る。


『まーきの、ほら、あそこでライオンがスッゴい顔で睨んでいるよ』

『知ってる。睨みたいのはあたしの方だよ!アイツのせいで、アイツのせいで…』





教授に卒論についていろいろ聞きたい事があった。

自分の今まで学んだ事を更に掘り進める。凄く大変だけど、それなりにやりがいがある。

卒論のことだけじゃない。

なのに、なのに…。


スタジオに入ったら、道明寺がエレナと話をしていた。

道明寺が少し、笑ったような顔をしていた。

あの時、少しカチンときたんだ。

エレナと話していたから?

今はそれだけじゃないって分かる。

でも、その時は"何で、道明寺は楽しそうなの?"って思ったのよね。


完全な八つ当たりなんだと思う。





『おい、牧野。今はお前の何だか知らねーけど、イライラを司にぶつけるな。夫婦ゲンカは撮影が終わってからにしてくんね~か?

今日中に終わんねーとマズイのは、牧野だろ?』

『夫婦?誰が夫婦よ!まだ、夫婦じゃない!』

『だとよ!司。未来の奥様が生理か何か知らねーけど、イライラしてんぞー!』

『なっ?!馬鹿デカイ声で話さないでよ…』

小声で抗議したら、

『あのな、ここにいるスタッフ、雑誌の記者、みーんな何とな~く勘づいてんの。こそこそして、変に勘ぐられたり想像されたりした方が後々厄介になる。堂々と宣言しちゃった方が上手くいくんだよ』

オオカミの耳が垂れた。

耳が垂れるように細工してある。

『そうゆう事だ。今の総二郎の言葉はかなりの真実味があるぞ』

ヒツジさんが角でつついてくる。

『えっ?どうゆう事?』

『牧野、今は自分の仕事に集中しようか。ほら、和也はまだ来れないんでしょ?代わりにこれを羽織って…』

類がピンクの可愛い耳が付いているパーカーを肩に掛けてきた。

『牧野、司に手を振ってあげて』


類に言われると素直に行動に移してしまう。


軽く手を振ったら、道明寺の顔が少し穏やかになった。そして、少し悲しそう。


ポケットから手を出して、ニギニギしている。


牧野、携帯貸して。

類が言うから、何も考えずに渡した。


暫くしたら、道明寺にメールの着信音が届いた。メールを確認するとビックリして、こっちを見て、少し照れたように笑った。


あたしのメールアドレスが"Tsukasa-love"に変更されていて、(ちょっぴり、ヤキモチ)って送られてあった。


道明寺がみんなの輪に加わった。

ちょっぴり、ホッとした。


道明寺が少し体を屈めて聞いてきた。

『大学で何か、あったか?』


いつものコロンの香りがした。


何故だか鼻の奥がツンってした。


大丈夫だから、そう言って慌ててエレナの所に行った。


『司はつくしを待ってたんだよ』

エレナはそう言った。


あたしが、凄く真面目な顔をしたからか、その後いろんな機材や編集何かも見れて、凄く楽しく過ごしたよ。って、話始めた。


小腹が空いてきたから、お菓子でも食べようかと座れるスペースを探しながら歩いた。


『そうなんだ。良かった。中々見れないもんね。何か、ゴメンね。あたし、大学でイヤなことがあって、道明寺に当たったみたいになったよね』

『司はつくしだけなんだよ。今日彼が、ポケットから両手を出すのはつくしの前だけだよ。知ってた?ポケットに手を入れるのは自分を隠すためにしているの。悲しい顔をするのも喜ぶのも全部がつくしだけに向くんだね。凄いよね……つくし……』


凄く道明寺を見ているんだな。観察力が凄いなーって。単純に思った。


『ありがとう。道明寺の事をちゃんと見てくれて。何か嬉しい』

『えっ?何で?…』

エレナは何故か少し悲しい顔をする。

『えへへ。だって彼の事を分かってくれるんだよ。誤解されやすいから。あんなだしね』

あたしが、そう言ったら、

『……。あー、何だろう?やっぱり戦う前から負けてるのは分かってはいるけど、完全なる完敗って、清々しいんだね』

また、悲しそうに笑ってから、

『あたしに、気兼ねして司と一緒にいなかったんでしょ?』

『えっ?いつの事?』

『いつもよ。司が泊まるように言っても泊まらないし、つくしのマンションもダメって…』

『ああ、そうゆう訳じゃないよ。卒論を今月までに何とか区切り付けたいなって、思ってさ。あと、仕事も現物を見れるように陳列するスペースも考えているし。一緒だと進まないし、集中できないから』

ホントにそうなんだもん。

『そ、そうなんだ…。』

エレナは少し顔をあげて、

『あたし、悪いと思ってないけど謝っておくね。初恋なんだ。好きになった人がすでに違う人に心があって、その人に寄り添いたいって感じられるのって、何だか悲しいような、応援したいような。あっ、もう応援しなくても最初から完全なる両思いだもんね』


天井を見て笑ってた。


ハッとした。

あたし、もしかして、ひどい事をしてたのかって。


部屋はアコーディオンカーテンで仕切られていた。


ガヤガヤと4・5人の話し声が聞こえてきた。

『凄いよね…。今回のプロモーションを仕切っている人さ、F4の知り合いって知ってたけどさ…』

『えっ?あんた知ってたの?』

『しーっ、ここからは三猿だからね。ここだけの話だよ』

『見ざる、聞かざる、言わざるって事ね』

皆一同に頷きあう。

『英徳大に通っていて、会社を起業している人って言っていたでしょ?何で、畑違いの人が出来るのかって不思議だったんだ』

『畑違いって?』

『だって、あの人カタログギフトの会社を立ち上げた人でしょ?業界じゃちょっとした有名人だよ。大手のデパートとタイアップして商品を出しているし、品物も良いものを揃えているって』

『えっ?そうなの?身内で結婚式があって、引き出物をどうするかって悩んでいるとき、最近では、カタログギフトも多くなってきたって紹介されたわ。Dootのカタログ』

『Dootって?あー。気付かなかったわ~。あの会社ってことね』

『何か全てがコネって事?なんかガッカリ。凄く一生懸命に頭を下げて頼んでくるから、この仕事に情熱を持ってやっているって思ってたのに~』

『でさ、彼女が例のワイドショーの人でしょう?騒がれたと思ったら、すぐに放送されなくなった』

『てことは?』

『あの人が道明寺司の彼女だってこと』

『実はあたし、少し前にスタジオにいたの。F4のメンバーが言ってたから間違いないよ』

『えーっ、ますますコネじゃん。全然、頑張らなくていいんじゃんね』



そうだ、この時の言葉で、カチンときたんだ。

凄く。

大学でも同じような事があって、さらに胸の中が黒く、ムカムカしたんだ。



『でさ、ドロドロしてるよね』

『あの外人の子でしょ?』

『あれは、道明寺さんを狙っているよね』

『凄いよねー?親友の彼氏に手を出そうとしているなんてさ~』

『てか、もう手を出していて、迫っているとか?』

クスクス、みんなで笑い始めた。


ムカムカが我慢できない。

エレナの顔が青ざめていた。

エレナはそんな子じゃない。

あたしが、道明寺とゴタゴタして別れた時に、留学生で大学に来ていて出会ったんだ。

あの時、エレナの言葉で気が狂いそうなのを我慢できた。



アコーディオンカーテンを全開に開けて、

『ちょっと!人を好きになるのって、止めるに止まんないものでしょ?あたしの友達は薄汚い事なんて絶対にしない!』

そう叫んでた。







「ちょっと、待って下さい。先輩。……。えっ?噂話をしていた人にそう啖呵を切ったんですか?」

「うん、そうなるよね…。あはは。マズイよね。でもさ、あたしも類を好きになった時に類は静さんを好きだったでしょ?その時の気持ちが分かるっていうか…。ちゃんと道明寺という人を理解した上で好きになってくれたって分かったから。その点は納得出来たというか…。エレナにも、道明寺をちゃんとみてくれてありがとうって伝えたし…」


桜子は右手で、ピシャッと自身のおでこを叩いた。

ハイ、出ましたー!

先輩のミステリアスゾーンですよ!


あー、この時の言動が吉と出るか凶と出るか。


「で、先輩。その人たちは?」

「うん、あたしが現れたら散々に顔を隠して去って行った…」


そう、それがまたあたしをムカムカさせたんだ。


「エレナさんの事は許すというか、いいんですか?」

「許すも何も、人を好きになるのに理由がいる?」



腕組みをして、唸る桜子。

先輩、まさかとは思いますけど…。

「先輩。突然、話は変わりますけど、道明寺さんを避ける理由にまさか男が関係していることはないですよね?」

「お、男ー?何で?全くなし。てか、あたしに男って。ない、ないわ」


桜子はブンブンと首を降っているつくしを見て、こういう時は鈍感で助かったと感じた。


いや、いや、あるんですわよ。


気付いてないのが、先輩だけですけど。


道明寺さんもすぐに気づかれたんでしょう。


だから、ますますわたくしの仕事が増えたのですから。



「あっ、男で思い出したと言うか、聞きたいって思っていることがあるというか…」


凄く口を濁すつくし。









ますますこじれますか?


頭の中、大丈夫かな?

初恋と嫉妬 4

桜子にエレナの話をどう話せば良いのか悩む。

今は恋愛結婚しているとはいえ、一度は道明寺に恋していた人に話すんだもの。

それに、道明寺に好かれているというだけで、あたしが特別扱いされる。

良くも悪くも。

分かっていた。どうゆう事なのか頭の中では。



「エレナさんが先輩と道明寺さんのイチャイチャを見せつけられて、何か言ってきました?」

「ううん、エレナにはその時は言われてない…。てか、何でそう思うの?」

「先輩のそうゆう感覚…。何でもです。大体の流れからして、何かしらあったのかな?とか、感じるとこですよ。道明寺さんがヤキモキする理由が今はわかりますよ。えー、えー、和くんも先輩と同じですからね…」

「えっ?桜子?最後らへんゴニョゴニョしていて、聞き取れないんだけど」


うっ、うんっ、コホッ。

桜子は慌てて、軽く咳払いをする。


「すみません。脱線しました。先輩、続けて下さい」

「あっ、うんっ。少しの休憩の時に御手洗いに行っていたら…」













『噂には聞いていたけど、道明寺さんて 知らない人にはとことん厳しいのね』

『ホントに、最初に来たときから1人だけ明らかに雰囲気が違うもんね。でもさ、凄く冷たい態度を取るとしても素敵よね』

『分かる~。彼ならOK。むしろ、そうゆう態度を取ること自体がいいわ~』

『自分がされたら嫌だけどね』

『分かる~。キャハハハハ。見るだけだも~ん。でもさ、笑っている時も良いよね~』

『いい、いい~。ギャップがいいわ~』

『でもさ、あの笑顔を、引き出すのが彼女だけってね~。凄ーく普通なのにね~』


出るに出れない…。

小宮さん(つくしの専属SP)、入り口付近にいるのかな?


『何かさ、あの外人の人が最初彼女かと思っちゃった~。可愛いしね。何かさ、あたしは大丈夫みたいな感じで、サイズ測ろうとするからさ』

『断られているから、アレって思ったのよね。何かさ凄いよね。あんまり大きな声出しちゃダメだよ。ここで起きた事を他言無用って言われているじゃん?言ったら、どうなるの?凄いよね………』

『分かる~。でさ………』


何だろう?だんだん声が小さくなってきた。

そう思って、ドアを開けて出たら、スッゴいビックリした顔をして、顔を隠すようにして去って行ったんだ。









「何か、ショックだったんだ…」


つくしが思い出すように、顔をあげる。


桜子は、つくしが話やすいように、なるべく相槌を打つか、質問をされたら返すように努めている。


えー、えー、そうでしょうね。

友達が自分の彼氏を好きだと気付いたんですから。

先輩、そんなのばっかりですわね。

あっ、でも、付き合いが分かっていながら好きになられているんですものね?

結構、キツイんでしょうね。

それに、周りにもファンがウヨウヨいますしね。

それに付き合っていかなければならないのですよ。先輩!!

彼氏が世界の道明寺司なんですから!!!



つくしは話ながら、ハッとした。


何だか自分が何にモヤモヤしているのか、桜子と話していたら何かみえてきたかも。



ポツリ、ポツリとまた話を始める。

「あたしさ、あの時はエレナが道明寺の事を好きだと気付いてあげれなかったんだよね…」

「うへえっ?!」

「な、何々?桜子?!」


いや、いや、いや、先輩?

何々はわたくしのセリフですわよーーー!!

それで、お優しい先輩の事だから、可哀想とか思っちゃった。

とかではないのですか?

これなんですよ……。

これが先輩の強みなんですわよね……。


何か、話たそうですわね。

聞きましょうか。











だんだん分かってきたけど…。


これを自分で気付いたら、あたしはどうしたらいいんだろ?