つくつくにっし

花より男子の二次小説です。司×つくです。他のカップリングも送り出します。クスッ、ウフッと、とにかく心が元気に。をモットーに書いていきます。あくまでも勝手な妄想の世界ですのでご了承ください

初恋と嫉妬 16

非常階段から数名の駆け上がる音がする。


エレベーターが到着すると同時に司のSPたちが司を護るべく到着した。


エレベーターのドアが開くと片腕をレジ袋に掛けて、もう片方の腕を司に回している母の千恵子が降り立つ。


司は扉の脇に立っているSPの斎藤に非常に強い増悪の念を送っている。


周りの新人のSPたちは、先程から顔以外から変な汗が止まらなくなっている。


泥々とした暗く重い空気が立ち込め始める。


そんな空気を振り払うように、牧野母娘は明るい空気を周りに放ち始める。


「ちょっ、ちょっと?!ママ?いつまでそうしてんの?!」

つくしが慌てて駆け寄る。


「ほらね。道明寺さん、言ったとおりでしょ?」

千恵子がまたもや上目遣いで司を見る。


司はあえて見ないように体を仰け反らせた。


「…そうですね。元気になったか?牧野」


「あっ、う、うん。ちょっとね…。へへっ…」

つくしが恥ずかしそうに下を向いたかと思ったら、

「ちょっと!ママ?いつまでそうしている気なの?」

思わず母親の腕を掴むつくし。


「案外と嫉妬深いのね~?全く誰に似たのかしらね~?素直に自分の気持ちを表さないで、天の邪鬼になったり?あたしなら直球よ。直球」

ウィンクして見せる千恵子に、司は苦笑いで返す他ない。




ママったら…。


いいから離れてよ。と言って、ママから道明寺を離す。


でも、ありがとう。


SPさんたちの雰囲気がおかしいと思った。


今も少し何時もと違うのも分かる。


あたしのせいだね…。


それでも道明寺が段々と笑顔になり、ホンの少しだけ顔がにやけてきている。


安心している顔を見せ始めた。


良かった…。


何か、また泣きそう…。


「牧野、どうした?」

道明寺が心配そうに覗き込んでくる。


こうゆう時の道明寺はホントに優しい。


ますます涙が出ちゃう…。


「ほらほら、ねぇ。この二人はラブラブなんですよ。つくしはね、欲しいものを我慢して思い詰めて熱を出すことがあってね…」

「ママ?!何を言い出すのよ?!」

涙を拭き、慌てて言葉を遮る。

「何よ~?ママに感謝こそすれ、邪険に扱われる所以は無いわよ~。あっ、優紀ちゃん?!来てたの~?今日は歯医者さんお休み~?」

あたしの戻りが遅かったからか、恐る恐る玄関の扉を開けてこちらを伺っている優紀を見つけたママは、大きく手招きして優紀をこちらに呼んだ。


「おばさん、お久しぶりです。今日はお休みです。おばさんも良ければメンテナンスにいらしてください」

優紀がママに頭を下げる。


「そう?セレブたちが通っている医院だって云うじゃない?行って大丈夫ってこと?ねぇ、聞いた?つくし?」


腕にコンビニのピザまんとカレーまんを入れた袋をぶら下げて、頬を押さえている。


「ママ?ちょっと、あたしたちだけじゃないんだから…」


道明寺だって、案の定少し引きぎみだし…。


真壁さんたちは少しだけホッとしてる?


「何よ~、聞いてよ。優紀ちゃん。こんなに晴れているのに、血の雨が降るのかしら?ってなってたのよ~。何だか知らないけどね~。

でもね。きっと、つくしが原因なのかな~って、母親の直感?

セレブになるといろいろと大変よね~?

言動には気を付けろってこと?」


ママ?


何を言い出すの…?


小宮さんたちも困惑しているよ…。


「おばさん?ホントですか…」

優紀が少し下を向いて考え始めた。


「一言いいですか?」


優紀が小宮さんたちSPを見渡す。


何を言い出すのよ…。


道明寺を見ると、彼もこっちを見た。


思わず、道明寺のダウンコートの裾をギュッと掴む。


「つくしはこの1ヶ月余りで環境が激変してます。

帰って来れないかもと思っていた彼氏が帰国して一緒にいられるようになったり、自分の仕事の他にプロデューサー的な仕事をしたりと、普通の人ならとっくにダウンしてます。

弱音を吐いちゃいけないって思ってあるとこがあって…。

それで、つくしがうまく言葉に出さない為に拗れることがあるとは思いますが、つくしの本当の思いを聞いてあげてください」

優紀が頭を下げる。


小宮さんや山崎さんらはママたちの言動に戸惑い、慌てている。


道明寺が優紀の前まで歩み寄り、少し優しい表情をしている。


道明寺?


「松岡、サンキューな。さすが牧野のダチ1号だけのことはあるな。総二郎が一目置くだけの女って事がよく分かったわ」


優紀が驚いて道明寺を見ている。


「俺はアイツが女の事で慌てているとこを、何年もダチをしているが、始めて見た気がする」


その言葉に優紀は涙が溢れ始めた。


少しばかり顔を手で覆ってたかと思ったら、キッと顔をあげて、


「道明寺さん、ありがとうございました。道明寺さんも頑張ってください。

じゃあね、つくし。あの、女ったらしに一言物申してくるね。

おばさん、是非ともいらしてくださいね。

お待ちしてますから」

そういうと優紀は周りの人たちにも頭を下げる。

優紀がエレベーターまで足を進める。


誰かが上の階まで上がって来るみたいだけど。


エレベーターが開くとフライパンを持ち、頭に鍋を乗せているパパが降りてきて、


「ママが背の高い黒のダウンジャケットを着た男と腕を組んで入って来たのが見えたんだけど…」

フライパンを振りながら、キョロキョロしてるし…。


パパ?


真面目にしてるの?


「ヤダ~。パパったら。道明寺さんよ。道明寺さん」

ママが笑い掛けると、


「まさか?道明寺さん?親子を相手にするつもりで?それは道明寺さんと云えども許せません!」


な、何?


どんな思考回路してんの?


全くもう!パパったら!


何のコントよ?!


みんなの顔が…。


苦笑いしたママがパパを引きずり、優紀とエレベーターに乗り込んだ。







暫くすると少しだけ、空気が重くなった。


この階には道明寺とSPさんとあたし。


ちゃんと言わないと…。


ママがエレベーターに乗るときに、人は言葉にしないとわからない時があるからねって言ってた。


ホントにそうだ。


あたしのせいで大事になったんだもの。


ママ、優紀ありがとう。


よし!!


あたしは道明寺のダウンジャケットの裾をギュッと握りしめた。


道明寺と目が合う。


ちゃんと伝えるからね。








「皆さん、今回は本当にありがとうございました。お陰で助かりました!」

SPさんたちにしっかりとお辞儀する。


「ま、牧野?!どうゆうことだ…?」






心配そうに見る道明寺の手をそっととる。

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